ビジネス便利屋のここだけの話 -4ページ目

苦情処理でファンを作る法

 今日は午後から雨が降るそう。いよいよ梅雨本番になってきましたね。雨の日に家の中で本を読むのは好きですが、仕事だとそういうわけにはいきません。


 この季節が終わっても、次はギンギラギンの夏か…。ふう。いかん、気持ちの持ち方が大切だと先日ブログに書いたばかり。頑張ろう。


 さて、今日も昨日の続きのクレーム処理についてです。


 それにしても、私のブログが、「苦情クレーム博覧会」というブログのキーワード適合度順検索で1位になったとか。へえ~、結構、苦情やクレームってトレンドなのですね。


 それはともかく、クレーム処理の話。


 こちらがお客の立場で、会社や個人に対して苦情を言う場合、一番腹の立つ相手の態度ってどんなものでしょうか。


 明らかに相手が間違っているのに、それを認めない。「こっちは、専門家だ。素人がつべこべいうな」と開き直って、無視するケース。そして、お客の知識不足を専門家が教えてやるという態度。


 結構、腹立ちますよね。


 また、自分に誤りはなかった、またはやむをえない場合だったと必死になって言い訳する姿勢。これも結構、頭にくる。


 お客さんとしては、改めて指摘されなくても、自分が素人だということはわかっているんです。わかっているから、高額な商品を購入したり、サービスをうけたりすることにすごい不安を持っている。


 自分の苦情を、素人の与太話みたいに考えて専門家がうやむやにしてしまうのではないか。ちゃんと対応してくれないのではないか。


 その不安が頂点に達すると、お客さんは激高します。よーするに、完全にキレてしまう。


 あんたじゃ話が通じないからダメ!上司を出せ。いや、それでもダメだ。社長をだせ!!

 …と、いうことになる。たまにお客さんが店頭で大声を出して大騒ぎをしている場面に遭遇することがあります。そうなったらちょっとやそっとではお客さんの怒りは収まらない。


 しかし、お客さんが、いきなり大声を出すケースは、それほど多くありません。ちゃんとその伏線がある。

 それが担当者の最初の応対によってお客さんの不安が増幅し、頂点に達してしまったケース。つまりお客さんにとって、自分が悪者にされると直感した瞬間ではないでしょうか。


 そうならないために、まず考えなければならないことは、次の点ですね。


●苦情処理の初期対応の最大の課題は、お客さんの不安をいかに取り除くか


 それは、お客さんの不満や不安をきちんと誠意をもって伺いますよと、こちらの態度で示すこと。説明のまずさや漏れがあって申し訳ないという姿勢で話すことです。


 そうは言っても、お客さんが激高して手が付けられないような状態で、誠意を態度で示し、わかってもらうというのは難しい。お客さん自身、とにかく頭にきて、まわりが見えなくなっている場合が多いからです。


 そんなときどうするか。お約束の多胡輝氏の心理学の実践書シリーズには相手の怒りをかわす心理術として次のフレーズがあります。


●相手が感情的になっているときは、ひとまず相手の言い分を認め、間を置いてから交渉を始めると、怒りをかわすことができる。 

 苦情処理の担当者を長年勤めてきた人が書いたさまざまな本や話を聞くと、共通して以下の方法がいいと話しています。


クレームのよい対応法 … まず困難な状況を「変える」ことが大切である。


 ○人を変える…  たとえば、苦情の原因となった担当者ではなく、上司が話を聞く。

 ○場所を変える…店頭ではなく、なるべく立派な応接室へ通す。そしてお茶や茶菓子を出してもてなす。地位のある上役が低姿勢で話を聞けば、お客さんのプライドが満たされます。

 ○時を変える…  冷却期間をおく。回答期限を明確に伝え、約束を必ず守る。


 いわゆる「間」をおくということは、大事だと思います。怒り心頭に達しているときは、いくらこちらが反論したい項目があるといっても、それをその場で言ったらこじらせるだけ。


 怒っているときは、論理を受け入れる体勢ができていないからです。その場合、時間をかけて怒りが収まるのを待ったほうがいい。


 お客さんを不愉快な気持ちにさせたのは事実だから、とりあえず謝る。そのうえで、「もう一度十分な調査をした上で、あらためてご報告にお伺いします」と間を置く。


 あとで、菓子折りを持って謝りに行ったら、「この前は、取り乱してすいませんでした」とお客さんから頭を下げられるケースは少なくないのではないでしょうか。


 もちろん、苦情処理の初期対応をきちんとやったからですが…。


 苦情処理の一般論はここまで。この次は、苦情処理のもうワンランク上の「苦情処理でファンをつくる法」について書くつもりです。

クレーム処理でファンを作る法 (追加分です)

  すいません。今日、二度目なんですけど、失礼します。さきほど送った分、後半部分が欠けているみたいなんで。前回送った分と、通しでお読みいただければ幸いです。以後、気をつけますのでお許しください。 


(ここから続き)


 先日テレビを見ていたら、福井県の商工会議所が中心となって、苦情クレーム博覧会を開催したとか。大手企業の商品開発担当者も注目しているそうです。困ったことに対して、それを改善してくれる商品を開発することは、商品開発の最大のコンセプトでしょうから。


 その話はまた別の機会にして、クレームについて。


 有名な漫画家で、テレビのコメンテイターとしても活躍されている○○氏。彼の奥さんも、すごく怖かった。電話で呼びつけられ、さんざん小言をいわれたことがあります。美人なのに、すごい剣幕で。ちょっとした言葉の行き違いだけだったのに…。


 私は始終クレームを発生させていたトラブルメーカーではないと思います。しかし、一日、何十人も会い、踏み込んだ話をしていれば、数ヶ月に一回、クレームや不満は発生するもの。もちろん最善の注意を払い、クレームや不満を発生させないのに越したことはないですが、どうしても行き違いが発生するケースはある。


 重要なのは、その後の対応ではないでしょうか。クレーム直後の処理の仕方によって、180度、その後の反応が異なってくる。クレームが入った直後というのは、天国へ行くか地獄へ行くかの分岐点といえます。


 そこをうまく乗り切れれば、クレームがなかったより、お客さんから信頼を勝ち得るのも可能だと思います。


 さて、件の有名漫画家さんのその後。おそらくクレーム処理の仕方がよかったのでしょう。あのとき、キレて悪かったと、ご夫婦から自宅へ招待され、サイン入り色紙を何十枚もプレゼントされました。そして、奥さんから手料理までごちそうしてもらったのです。


 今はもう、連絡がとれなくなってますが、その人がテレビに出ているとあのときのことを思い出します。やっぱり、長い間、第一線で活躍するには人格も必要なのですね。


 クレーム処理のうまい方法を教えてくれたのも、多胡輝氏の書いた心理学の実践書シリーズでした。これらの本から得た知識がなければ、大変なことになっていたかも…。


 今まで何度もピンチを切り抜けてこられたのは、これらの本のおかげだと感謝しています。さて、次回はその具体的方法について書きたいと思います。

クレーム処理でファンを作る法

 昨日、家へ帰る途中の商店街で、お客さんと電気店の店主が言い争っている光景を目にしました。お客さんは、六十歳ぐらいの男性。「男はつらいよ」に出てくるタコ社長みたいに顔を真っ赤にして怒っている。


 何を言い争っているのでしょうねぇ。


 道行く人たちは皆、係わり合いを避けるように通り過ぎていきますが、必ず興味深そうに振り返って見る。私もそう。ゆっくり歩きながら、何度も振り返ってそのやりとりを見ました。見たいけど、立ち止まってその顛末を遠くから見ているのもなんだし…。


 この喧嘩、俺が買ったぁぁぁぁぁぁ~、というのは時代錯誤。「およびでない?こりゃまた失礼しました」と言いいながら、ずっこけるのはもっと時代錯誤。こういうときの第三者の対応は難しい。


 でも、第三者として確実にいえるのは、商店街のみんなの見ている真ん中で、お客さんと喧嘩しちゃまずいですよ。たとえ理由がどうあれ。


 さて今日は、クレーム処理について書きたいと思います。クレーム処理は、どこの会社でも、プライベートでも、誰もが経験のあることですよね。


 早い話、幼稚園の子供でもやってます。たとえば、○○ちゃんが、別の子のおもちゃを取ったり壊したりしてしまったケース。当然、不利益を被った子は、○○ちゃんに不平を言います。○○ちゃんは、その子の不満に対してクレーム処理をしなければならない。うまくクレームを処理できなければ、先生に言いつけられて怒られる。その子に納得のいく説明ができるかどうか。きちんと誤ればそれですむ場合が多いと思うのですが、子供のことだから大抵こじらせてしまう。


 子供の世界ならまだ笑い話ですみますが、ビジネスの世界ではそうはいきません。昔からのお得意先を怒らせて、取引停止なんてことになったら、担当者は給料カット。悪くすると降格なんてことになりかねない。


 当然、取引停止になる前に、お得意先はクレームの意思表示をしたのでしょう。クレーム処理に失敗して、火に油を注いでしまったというケースは結構あるんですよ。


 逆に、クレーム処理に成功したばかりか、かえってお得意先がクレーム担当者のファンになり、取引が拡大するケースもあります。


 ビジネスでお取引先をもっている方は、最初の取引経緯を調べてみると面白いですよ。結構、大口取引先で、最初クレームが発端になっているというケースは多い。クレームに対して、誠心誠意応えているうちに自分の会社のファンになってくれたんですね。 


 私事で恐縮ですが、私が今取引していただいているお客さんの中にもそういう会社があります。銀行に勤めていた頃からですからもう二十年以上ですか。最初のお付き合いの発端はやはりクレームからです。

 当時は銀行の方針というものもあって、一社だけ特別扱いできないということもあったのですよ。だけど、そんなことはこちらの都合で、お客さんにとっては何の関係もないこと。その頃は絶えず電話がかかってきて、ヒヤヒヤの毎日でした。私も若かったので、何度も通って説明しました。


 結局、「銀行の言うことはよくわからないが、君の立場はよくわかる」と最後は納得してくれました。


 私の会社が創業のとき、その社長さんは助けてくれた一人です。さんざんクレームをぶちまけたから、親近感がわいたらしいです。


 クレームは、お客さんの本音をストレートに表現した形だと思います。だから、それに一生懸命応えているうちに、プライベートでも本音で付き合えるようになる。うまく処理できれば、最高の取引深耕策だと思います。また、本音から出た言葉だから、マーケティングに利用すればものすごい効力を発揮する。

私のスランプ克服法 2

  昨日は、私のスランプ克服法としてふたつばかりご紹介しましたが、今日はその続きです。


 スランプには、さまざまな要因があると思うんですよ。自分自身の体調の問題もあれば、気の持ち方の問題もある。気の持ち方に関しては、外部要因が大きいのではないでしょうか。


 つまり、自分のまわりの人たちの問題。この辺がうまくいっていないと、仕事や家庭に大きな悪影響をもたらします。プロ野球でも、チームが優勝目指してひとつになっているチームは、実力以上の力を発揮するのではないでしょうか。それに対して、チームの雰囲気が悪いと、いくら一部の選手が個人レベルで頑張っても結果は見えてこない。


 それだけ、個人の能力発揮に、外部からの働きかけというのは大切なのですね。職場の人間関係の問題についても相当いろいろな本を読みました。そのあたりはいずれ述べたいと思いますが、今日は自分レベルの話です。


 職場の人間関係の悪化によって、深刻なスランプに陥った場合はどうするか。


 これは、昨日も触れた、「仕事に対する考え方を変えてみる」にも関連するかもしれませんが、職場の人間関係の悲劇の当事者と考えると、ますますドツボにはまり込みます。


 昨日の例を思い出してください。尿管結石の激痛で苦しんでいた人が、「人間、どこまで痛みに耐えられるか、ためしてみよう」と気持ちを切り換え自分を客観的に眺めてみた。すると、「本当にキツイときは、気絶する。痛いと感じるときは、それほどではない」ということに気づき、不思議と今までの激痛が、耐えられる痛みに変わったこと。


 私もかつて、職場の人間関係が悪化していろいろ悩み、仕事にスランプをきたした時期があります。そのとき、一歩下がって考えてみたのは、人はどういうシチュエーションで、人間関係が悪化するのかという疑問でした。それをひとつ解明してやろうと思ったのです。


 それで、例の多胡輝氏の心理学のノウハウ物を徹底的に読み漁ったのです。すると、今まで悩んでいたことが、サル山の騒動みたいなことに感じられ、す~っと気分が楽になっていきました。


 おそらく、自分と周りの人たちの関係を、心理学の一般法則に置き換え、自分を客観的に見られたからだと思います。だから、スランプ克服法として、次の点も加えさせていただきます。


●人間関係に悩んだときは、心理学のノウハウ物を片っ端から読む。

 それから以前、このブログで書いた、ストレス解消法ともつながりますが、自分の好きな音楽を聴いたり、汗ばむぐらいの運動をするのも驚くほど効果的です。人間というものは、気分転換がなければ生きてはいけない動物かもしれませんね。


 その意味でもお勧めなのが、次の方法。


●落ち込んだときは、自分より大きなものを見たほうがいい。

 大きいといっても、中途半端に大きいものではダメで、徹底的に大きいものがいいです。たとえば、どこまでも続く山並み、大海原。どんなに自分の悩みが大きくたって、宇宙レベルで考えれば、限りなく「無」ですよ。46億年の地球の歴史からしても、本人が悩んでいる時間は、限りなく「無」に近い。自分の悩みなんかちっぽけに見えるようななるべく大きい景色をみることもいいんじゃないでしょうか。


 最後に、営業に行き詰まったときのスランプ克服法をご紹介しましょう。以下は、世界的トップセールスマンのフランク・ベトガーが、スランプに陥ったとき、彼を立ち直らせた保険会社の社長の言葉です。そのまま引用させていただきましょうか。


●「販売の仕事は、煎じ詰めるとたったひとつの事柄である。それは、『できるだけたくさんの人に面会する』に尽きる。人並みの能力を持っている人だったら、毎日4~5人の人に会って、熱心に話を持ちかけてみるとよい。それだけのことできっと成功する」

 彼が言いたいことは、営業に行き詰まったら、初心にかえって数多く取引先をまわれ、ってことですね。営業のスランプは、あるきっかけで営業に自信が持てなくなり、この先断られることからくる恐怖感からくるのではないでしょうか。


 それでも何でもとにかくお客さんを数多く回る。そういうことを繰り返していれば、必ず色よい返事をしてくれるお客さんが現れるものです。ひとつうまくいけば、自信が回復できます。それさえ取り戻せば、スランプから自然と脱出できるものですよ。

私のスランプ克服法

やはり暑くなってきましたね。昨日は、一日中都心にあるお取引先をまわっていました。


 なるべく日陰を選んで歩いたつもりだったのに、家に戻って顔を見ると真っ赤に日焼けしているのです。昔はこの程度では日焼けしなかったのになぁ。


 紫外線が強いのでしょうか。オゾン層の破壊が一層進んでいるのかも。層急に一層のオゾン層対策を世界各国の層意にもとづいて層起してもらいたいものです。


 さて、今日は私のスランプ克服法について書きたいと思います。しかし、何をもってスランプというのでしょう。まわりから見ると別に普通じゃん、と思われるケースもあり、上司から何やってんだと怒鳴られ、ドツボにはまっているケースもある。


 ただ意外と、まわりは本人ほど悩み、苦しんではいないのではないでしょうか。本人だけが、スランプじゃ~と悩み、這いずり回って脱出しようとするが、ますます泥沼にはまってしまうのはよくあることです。


 元巨人の中畑は、いつも、ぜっこうちょ~!!!って言ってました。ああなると、少々打撃成績が悪くなってもスランプだとは誰も思えない。


 スランプとは、まわりから調子が悪いと思われ、なおかつ本人がそれについて思い悩んでいる場合である、と私は勝手に定義します。


 だから、本人が悩んでいなければスランプではない。それが、究極のスランプ克服法ではないか、と。

 私は血液型A型ということもあり、わりと小さなことでも悩むタイプかもしれません。結構、ストレスには弱い。若い頃から、心配事があると眠れないことも何度かありました。それで、そういった性格を改善しようと、いろいろな本を読んで、スランプやストレスの解消法を研究したのです。


 そしてその中から自分なりに、役立つと思って抜き書きしたのが、以下の項目です。


●人間万事塞翁が馬と考える。

 
  
…とにかく、今取り組んでいる物事に対して、全力で頑張る。しかし結果が失敗であってもくよくよしない。災いが福を呼ぶ場合もあるし、福が災いを呼ぶ場合もある。


 確かにこれはありますよ。私の知っているケースでも、人より早く出世して、将来を嘱望されていた人が、まわりの嫉妬から足をさんざん引っ張られるケース。真面目で責任感の強かったその人は、心労から病気になり、五十代前半の若さで亡くなってしまいました。


 トップで出世しなければ、亡くなることはなかったかもしれません。もちろん、その逆のケースもある。

 歴史を見ると、もうホント、塞翁が馬の繰り返しだと思います。ちょっとぐらい良いことや悪いことがあったとしても、その結果は、長期的なスパンに立って見なければわからない場合が多い。ちょっとぐらいのことに一喜一憂しても無駄だと言っていいのかもしれません。


 もちろん、いい結果を目指して最善の努力はする。しかし、その結果に関しては一喜一憂しない。そういった長期的なスタンスで考えれば、ストレスも低減できるはずです。要は気の持ち方ってことですね。




●仕事に対する考え方を変えてみる。

 …つまり客観的にいろいろな角度からものごとを考えてみる。たとえば、仕事にゲーム感覚を取り入れるというのはどうでしょう。


 たとえば、ある人が尿管結石で入院したそうです。この尿管結石の痛みって、人間が感じる痛みの中で、一番キツイ痛みなんだとか。
 さて、その人は激痛の中で、当然ストレスがたまります。苦しみながらも、ちょっとその痛みに対して考え方を変えてみようと思ったそうです。

 それは、「人間、どこまで痛みに耐えられるか、ためしてみよう」と思ったこと。そのとき、感じたのは、「本当にキツイときは、気絶する。痛いと感じるときは、それほどではない」ということでした。そう思ったとき、不思議と今までの激痛が耐えられる痛みに変わったそうです。


 私も同じような経験があります。若い頃、毎日飛び込み訪問で新規取引先を勧誘していたときのこと。
 うまくいく日もあれば、まったく調子が上がらない日もある。二十軒も連続して、けんもほろろの応対で断られれば、今日はスランプじゃ~と、暗くなる。陰気な顔をした営業マンなんて、誰も相手にしません。だからますますドツボにはまる。


 そのとき考え方を少し変えてみました。「どれだけ断られれば制約できるか、ひとつためしてみよう」と。

 その感覚は、自分が悲劇の主人公という主観的立場じゃないんですね。その悲劇の主人公が出ている熱血根性ドラマを、ポップコーンを食べながら固唾を呑んで見守っている観客になったような気分とでもいうのでしょうか。本人は苦しんでても、傍から見て、「今にきっと良いことがある、頑張れよ」って、客観的に応援している立場。


 ちょっと考え方を変えるだけで、気分がす~っと楽になるのですよ。「ちいさいことにくよくよするな」という本が、かつてベストセラーになりましたが、その本の中でも同じようなことを言っています。


 本人の気の持ち方次第で、ストレスを感じないですむらしい。


 このほかにもスランプ克服法はいろいろありますよ。この続きは、また明日書きます。

お客さんの興味をひくセールスツールとは

今日からまた一週間がはじまります。それにしてもやっと暑くなってきそう。


 たまたま去年の手帳を見ていたら、6月のところに、「暑い」「すごく暑い」「ここも暑い」「死にそう」「死ぬぅぅぅぅぅぅ~」「もうダメ。今日は死んだ」などというぶっそうな言葉が散見されました。今年もそうなるのでしょうか。


 今年の夏が暑いと、来年また花粉症で今年と同じ地獄の苦しみを味わうことになりますよ。本当に、人の一生は、重い荷を背負って坂道を登ってゆくごときものですな。


  さて、今日は、お客さんに興味を引いてもらうコツとして、セールスツールのことを書きたいと思います。


 セールスツールには2つあるってご存知ですか? それは…


●会社として考え出すもの
●営業マン個人が提供するもの

 会社として考え出すものは、会社案内や商品パンフレットなどですね。これは会社の考え方や姿勢、関心事を表明するものでどこの会社にもあるはず。


 今日、問題にするのは、営業マン個人が提供するものです。これは、顧客一人ひとりにターゲットを絞ったセールスツール。営業に関しては、この二つを利用して、相乗効果を狙うと効果的ですよ。


 じゃあ、営業マン個人が提供するセールスツールには、どんなものが考えられるでしょうか。


 まず、法人取引先の場合


● 営業面でのサポート情報なんてどうですか?
  

 たとえば、業界動向、同業者の情報、効果のあがる広告手段、売れ筋情報、販売の見込先など、など。 それから、


● 経営に役立つ情報も、社長さんには喜ばれます。

 たとえば、人事関係、ローコストの調達手段なんて。特に経験上喜ばれたのは、以下の記事でした。


●得意先企業自身の記事…これは、地方紙などメジャーではないところで取り上げられた記事で、得意先担当者がまだ気づいていないものだとベストですね。


同業他社、特にライバル企業の記事…こんなものが出てましたよ、と記事のコピーを持っていくと、当然ですけど皆、食い入るようにそれを見て、「どうもありがとう」とすごく感謝されます。


 次に、個人取引先の場合。これは…


●生活が便利になる情報
●奥さんにはご主人の勤務先に関連した記事
●お子さんのいる家庭には教育関連の記事
●健康に関心のある家庭には健康関連の記事
、など。 


 以上のような情報を、新聞・雑誌の記事、広告などから切り抜き、コピーをとってお取引先に渡すのです。

 ただ、こんな面倒くさいこと、お取引先に提供するだけのためにやったのでは長続きしませんよね。私たちは、結構日常生活の中で、いろいろな文章を目にしていると思います。 その文章を読んだとき、「これはお取引先の誰が目にしたらきっと喜ぶぞ」と思ったら、その場で切り抜くなり、コピーをとる。


 これは、常に頭の中で、お取引先と問題意識を共有していなければできないことかもしれませんね。

 そのためにも、常にお取引先のニーズがどこにあるのか、頭に入れておくことが必要です。

 それでも、営業マンの個人技に頼っていたのでは、会社としての取引先対応がバラバラになってしまいます。


 社内に、情報ごとに担当者を分担して設けるのも面白いかもしれません。


 たとえば、業界情報担当、生活情報担当、節約情報担当、経営情報担当、税務対策担当、商品情報担当、広告情報担当、…

 サッカーワールドカップ情報担当、花田兄弟情報担当、ゆうこりん情報担当????

私の好きな映画音楽ベスト5 (レトロ限定)

今日は日曜日、三宅裕司のザ・スゲェをラジオで聞きながら、ブログを書いています。さすが、明大落研の出身で、コメディーの脚本までこなす人だからトークが面白い。


 私が毎週この番組を聞いているのは、もちろんその面白いトークを聞きたいためでもあるのですが、一番の理由は、今はやっている歌がどんな曲なのか知ること。流行歌を聴くこと自体、昔から好きなんですけどね。


 日曜日の朝といえば、昔、ロイ・ジェームスがラジオで歌謡曲のベスト10番組をやっていました。中学、高校時代はよく布団にくるまって聴いたな~。だから当時流行っていた歌はみんな頭に入っていて、カラオケでも大抵歌えます。そういえば、当時は、テレビはもちろん映画もすごくよく見ました。映画雑誌の「スクリーン」と「ロードショー」を友人と二人で買い、まわし読みしたりして。


 だから高校時代は全然勉強しませんでした。こんな趣味みたいなことばっかり首を突っ込んでいたから、成績はあまりよくありませんでしたよ。でもやはり中学、高校時代って記憶力がすごいんですね。今でも当時見た映画音楽の歌詞が結構頭に残っています。その当時、英単語や数学の公式でもしっかり覚えていれば、今頃は堅い仕事についていたかも。


 それでも、若いとき、勉強以外の好きなものに熱中できたのは、後悔していませんけどね。ブログのネタに困ったことは一度もないから…(笑)


 …と、いうことで、恒例になりました日曜日限定のベスト5ネタ。(そういえば、日曜日になるとランキングが気になるというのは、ラジオの歌謡曲ランキング番組の影響かも)


 ビジネスの便利屋さんが、青春の熱き血をたぎらせて感動した、知ってる人は興味あるかもしれないけど、知らない人にはどうでもいい、映画音楽の完全自己チューランキング、ベスト5は、以下のように決定いたしました。


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ…(←ドラムの音?)


●第五位…「思い出の夏」の主題歌。

 この映画、もちろん見たのですがあまり筋が記憶に残ってないんですよ。思春期の少年が人妻に恋をする話という以外は。だけど、物悲しく美しいスクリーンミュージックは頭の中にこびりついてます。冬のソナタの「My Memory」、ゾーンの「secret base」、そして夏がく~れば思い出すの「夏の思い出」に通じるノスタルジックな魅力がありますな。


●第五位…「ボルサリーノ」、「怪傑ゾロ」、「地下室のメロディー」などアラン・ドロン主演映画の主題歌。

 若い頃、かっこよかったなアラン・ドロン。スーツがよく似合う男で。最初に言っときますが、別に変な趣味はないですよ。これといった絶対的な曲はないのですが、合わせ技で五位入賞。フランス映画の曲って、テンポがいい。シリアスな場面も楽しい気分になって、それがまたグッドセンス。 


●第四位…「メリー・ポピンズ」のスーパーカリフラジュリスティックエクスピアリドゥーシャス。

 メリー・ポピンズは見ましたよ。最低、5回以上は見てます。もっともこれを見て英会話を勉強するという大義名分があったからですが。サウンドトラックのレコードもすれ切れるぐらい聞き、中にある曲の歌詞をほとんど暗記しました。上記の歌は、ジュリー・アンドリュースとディック・バン・ダイクがディズニーアニメの中に入って、一緒に踊るシーンで歌われます。意味は忘れましたが、世界一長い単語だとか。(もちろん映画のなかの創作)高校時代、友人とこの単語、発音できる?ってよくやりましたよ。ところが、英会話は今もまったく不得意。挫折の点で記憶に残ってますね。


●第三位…「ロミオとジュリエット」の主題歌。

 ニーノ・ロータの近代まれに見る美しい音楽。映画より前に、映画音楽全集に入っていたこの主題歌に魅せられましたね。それはピアノだけの演奏だったのですが、旋律が心に残ります。映画をはじめて見たのが社会人になってすぐ。新人で、いつも失敗して怒鳴られていた頃、気分転換に水道橋後楽園にある二本立ての名画座で見ました。オリビア・ハッセーが幼くてかわいくてよかった。主題歌はオリジナルではオーケストラ演奏なのですね。となりに座っていたおばさんが、主題歌を聞いただけで涙をポロポロこぼしたのを覚えています。


●第二位…「ティファニーで朝食を」のムーン・リバー。

 これは、レンタルビデオで繰り返し見ました。しかも、オードリー・ヘップバーンが窓辺にもたれ、物憂い表情をうかべながらムーン・リバーを歌うシーンを何十回となく。たぶんその部分だけ、劣化しちゃったんじゃないですか。やっぱり洋画のロマンチックなシーンはセンスがいいなと思ったものです。あれだけ見たのに、今この映画で覚えているのは、そことオードリーがさっそうとティファニーへ入っていくところとラストシーンだけ。あまり記憶には残らないけど、なんとなくいいムードの雰囲気がほのかに残るといった感じの映画でした。


●第一位…「明日に向かって撃て」の雨に濡れても。

 この映画も、劇場、レンタルビデオでもう何度も何度も見ましたよ。もうせりふを全部暗記するぐらい。一風変わったギャング映画、当時はアメリカンニューシネマなんて言われていました。好きなのはやはり、ポール・ニューマンとキャサリン・ロスの自転車の二人乗りのシーン。ギャングなのにやさしい顔をしているポール・ニューマンと可憐な教師役のキャサリン・ロス。その前の重たいシーンから一転して早朝の牧場を自転車で走り回る二人。そこで流れるのが、バカラックの「雨に濡れても」。
 実はこの曲を知ったのは、映画じゃないんですよ。それは札幌オリンピックのフィギアスケートのエキシビションです。銅メダルのジャネット・リンが人気でしたが、銀メダルのマグヌセンもよかった。彼女がエキシビションで、傘をもって出てきたんですよ。何をやるのかと思って見ていたら、流れてきたのがこの「雨に濡れても」。すごいいい曲。映画を見たとき、あっ、あのときの曲だ、っと感動したのを覚えています。一時期長く、携帯の着メロにしていました。またビデオ借りてこようかな。

 それにしても、中学、高校時代のことってよく覚えている。結構、充実した学生時代を送ったのかもしれない。勉強しなくてよかった? 

あなたが望むものを他人から得るには

今日は土曜日。だけどオフィスで仕事です。早めに外で昼食をとり、帰りに100円ショップに寄って、ペットボトルのお茶やコーヒーを買いました。


 なんか食べるものも欲しいなと、店内を歩き回って見つけたのがおつまみのコーナー。あまり酒には強くないのですが、おつまみは好きで、それだけでもよく食べます。なんとなく気分で、サラミとチーズを買って帰りました。


 オフィスに戻り、コーヒーを飲みながらサラミでも食べようと、そのパッケージを見て絶句。  


ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~、犬用と書いてあるぅぅぅぅぅぅぅぅ~!!!  


 私が買ったのは、ペットコーナーの食材だったのですね。しかし、あの陳列の仕方は人間様のおつまみコーナーとまったく遜色なかった。注意力散漫もよくないが、それにしても…。


 今、私は、人として重大な岐路に立たされています。目の前ににある犬用のサラミとチーズ。すごくおいしそう…。食べても死なないことだけは確か。


 食うべきか、食わざるべきか。じっくり考えて結論を出したいと思います。


  さて、昨日に引き続き、ロバート・コンクリンの『説得力』から。


 この本の中で、私が一番忘れられず、また営業マンとしてだけでなく、人としてこうありたいと思わせる営業法則のことがあるって書きました。たぶん、この本の著者が一番言いたかったは、次のフレーズなんでしょうねぇ。


●あなたが望むものを他人から得るには、他人の望むものを彼らに与えればそれだけ、彼らはあなたに、あなたの望むものを与えてくれる。

 なんか哲学問答みたい。この本は、こんなフレーズでずっと書かれているもんだから読みにくいんですな。言ってることは簡単なことなんですけどね。簡単なんだけど、これを人生の指針として徹底してやり続けることって簡単じゃない。


 よーするに、営業マンがお客さんに、自分の会社の商品を買ってもらいたいなら、お客さんが望んでいることをまずかなえてあげなさいよ、って言っているんでしょう。売る前に、お客さんが望むものを彼らに与えなければならない。その逆ではダメですよ、ってこと。


 そのためには、お客さんが望んでいるのが一体何なのか、知る必要があります。これが本の中で何度も出てくる顧客ニーズというもの。それに応えていくのが、いい営業マンなんだと結んでいます。


 確かに、私の知っているトップセールスマンたちは、方法はどうあれ、皆この要素を持っている。私にかつて保険を売りつけた営業マンは、当時パソコン初心者で、途方に暮れていた私に助けの手を徹底的にさしのべて、契約を結ばせました。プロバイダの設定やインターネットの接続の仕方など、全部、数日にわたって手取り足取り教えてくれたのですよ。


 その間、一度も保険のセールスはされなかったのですが、最後はこちらから、「入るよ。入りますよ」っていう気分にさせられてしまった。


 コンサルタントの大親分みたいな船井総研の船井幸雄氏も同じことを仰ってます。


●「ギブアンドテイク」ではダメ。今は、「ギブアンドギブ」だ、と。

 つまり、お客さんから見返りを期待して営業するのはまだ甘い。お客さんが望むものを見返りを期待しないで与え続けろ、ってことですな。


 まさに、聖人君主! だから、あれだけ大きなコンサルティング会社を作ることができたんだろうな~。


 それはともかく、元総理の竹下登氏の「かしかり帳」も有名な話です。何でも竹下氏は、若い頃から、周りの人たちを助けたり、困っていることに応えたりすると手帳に「貸し」と記入したんだそうな。そして知り合い全員に「貸し」という形になるように頑張ったとか。


 背が低いし、どちらかというと押しが強いタイプでもない竹下氏が総理大臣に上り詰めたのも、「ギブアンドギブ」の精神を貫いたおかげなのでしょうか。


 営業で、このギブアンドギブの精神を使うとしたら、どんなことが考えられるでしょうか。


 私は、上記の人たちほどすごくはないですが、それでもいろいろ考えてやったことがあります。


 たとえば、ギブアンドギブの精神を理解してくれるお客さんだと思ったら、  


●お客さんの会社の業界情報や景気動向、近隣情報などのお得情報を持ってゆく。  


●困っていることがあれば相談に乗る。  


●記念硬貨が出たら銀行に並んで両替し、持って行く。  


●取引先の企業を紹介する。  


●プライベートの旅行へ行ったときのお土産や会社の粗品を持って行く。 など。


 ポイントは、すぐ見返りを求めないということですね。たとえば、どうしても深耕したいお客さんの場合、6ヶ月間、そのお客さんは営業するのをやめようと思う。そしてその間ずっと、上記のことを行って、恩を売り続けるのです。


 最後はお客さんの方で不安になってくるみたい。そして機が熟したと思ったら、その会社を訪問する。そして、社長さんに、


 「今日は、社長さんに折り入ってお願いしたいことがあって参りました。実は…」


 と、真剣な表情でお願いするのです。そのときの社長さんたちの顔は、心なしかほっとした表情だったのを覚えています。

「確実にセールスに成功する法」ってホント?

昨日のブログで、営業マンは、お客さんのバイイングポイント(買う理由)を見出す感度を磨くことが大事だと書きました。そのためには、お客さんにタイミングよく質問し、ニーズを把握すればいいのだ、と。


 そして、ロバート・コンクリン(ゆうこりんじゃないですよ←しつこい。知らない人はネットで検索してみよう)というトップセールスマンの書いた『説得力』という本の中に、この効果的な方法が紹介されているとも触れました。


 さて今日は、この『説得力』という、かなり昔ですが全米で大ベストセラーになった本についてご説明しましょう。


 この本をひとことで言いますと、トップセールスマンのノウハウものですな。しかしかなり学問的です。だから結構読みづらい部分もある。読むのが早い私でも一週間以上かかった記憶がありますから。でも、ここに紹介されているエピソードは、著者の長年の経験から導き出されたものでとても興味深いですよ。


 この本の中で面白かったのは、昨日のブログで紹介した「確実にセールスに成功する法」です。これは著者の成功体験から導き出されたひとつのノウハウですね。


 著者は不動産会社のセールスマンをしていた頃、お客さんと売りに出ている家を一緒にまわって営業したのだそうです。そのとき、お客さんのニーズを聞き出す、もっとも効果的なセールストークが次のフレーズだったとか。


●「どうしてこの家をお買いにならないのです」  

なんじゃこれは、と思われる方もいるかもしれませんね。でもよく考えてみると、お客さんを前にして、こういう質問の仕方をする営業マンは多くないと思いますよ。


 一番多いのは恐らく、「この家をお買いになりますか?」という問いかけでしょう。もちろんこんなストレートに聞くことはないでしょうが、大体このバリエーションの中で営業している。いわば想定の範囲内。


 この本の中で著者は、こういう聞き方は、「はい」か「いいえ」の答えしか引き出せないと言っています。すなわち、それだけではお客さんのニーズがどこにあるのかわからない。


 ところが、「どうしてこの家をお買いにならないのです」という聞き方は、相手の感情と思考、そしてお客さんのその家に対する正直な感想に対して直接訴えかけている


 …と、言うんですな。そして、この聞き方は、さわやかで、誠実で、そして具体的な頼み方であるとも書かれています。


 同じ方法を他の不動産会社の営業マンに伝授したところ、一年間で成果が三倍になったとか。また、生命保険の営業マンもこの質問でお客さんのニーズを聞き出してセールスしたところ、大成功を収めたそうです。


 逆に言うと、いかに営業マンは、お客さんのニーズがどこにあるか知らないまま営業しているということかもしれませんね。


 確かにこの質問をして、お客さんが答えてくれた内容を徹底的に聞くことはとても大切なことだと思います。そして、そのニーズを満たす対応策を、お客さんと一緒に徹底的に考えてあげる。このポリシーは、いま流行の「提案営業」にも通じるものがあるんじゃないでしょうか。


 自分の例で言うと、やはり使えますよ、この方法は。


さんざん営業して、お客さんが迷っているとき使うと結構グーです。困ったちゃんのような顔をして少し笑いながら言うと、大抵のお客さんは迷っている理由を言ってくれます。


 そこで、「ああ、なるほど。確かにおっしゃる通りですね」と言って、大げさにうなづき、「大変参考になります。もっとお聞かせいただけませんか」とさらに促します。うまく相槌をうちながら神妙な顔をして聞き入っていると、とうとう本音を話してくれます。


 「買ってもいいけど、この点がネック」とか「買いたいんだけど、ずっと昔このメーカーの別の製品が故障して困ったことがある」など。


 このあたりの本音は、もうバイイングポイントに直結していますよ。その部分さえクリアできれば、もう買っていただけたも同然。持てる営業能力のすべてをその部分に注ぎ込み、一気にお買い上げに持っていくことも可能です。


 やっぱりトップセールスマンの経験から導き出された理論と法則は使えることが多いですね。 


 ロバート・コンクリンの『説得力』にはもうひとつ、忘れられない営業法則が書かれていました。これは、デール・カーネギーの「人を動かす」にも同じことが書かれていて、営業マンだけでなく、人としてこうありたいと思わせるものです。


 その点については、また次回…。

お客さんに商品をたくさん買ってもらうためには

今日の昼ごはんは、約一ヶ月とちょっとぶりに松屋へ行きました。松屋とともに生きてきた私が、なぜ、こんなブランクをあけてしまったのか。  


この理由を知りたい方は、前に書いた「当世牛どん屋事情」をお読みください。大した理由ではありませんが、心の整理がつくまで若干時間を要したのです。 


 今日食べたのは、スープカレー。流行の最先端から少し遅れつつも、積極的に追随するあたり、吉野家とは一線を画するものがありますね。


 辛いだろうなと思いつつ、食券を購入したのですが、やっぱり辛かった。うまいけど辛い。汗はもちろん、鼻水、涙まで出てきましたよ。水を何度もおかわりし、やっと食べ終えたころには全身虚脱状態です。  そこへ店内のスピーカーを通して流れてきたのが、冬のソナタの名曲、「My Memory」。グッドタイミングで、冬のソナタの名シーンの数々が脳裏をよぎりました。やっぱり松屋はいいなぁ~、また来ようと、またあの変なおやじが現れる前に店を出ました。


 さて、前回、前々回と、商品を売るためにもっとも大切なことは何かというテーマでブログを書きました。それは、営業マンが自分の売る商品、サービスに愛着を持つこと。つまり、その商品にほれこんだ営業マンが、自分の言葉でその商品のいい面をお客さんに説明することです。


 かつて、近代の広告理論の元を築いたコピーライターのジョン・E・ケネディ(大統領ではありません)は、こんなことを言っています。


●人に多く買ってもらうためには、人々になぜそれを買ったほうがいいのか、という理由を与えることである。

 つまり、お客さんがその商品を必要である場合は、それを買ったお客さんの生活なり仕事なりが大いに改善される。そのことをお客さんによく納得させるというのが、営業の重要なポイントである、と。


 ぶっちゃけた話。お客さんになぜそれを買ったほうがいいのかをわかったもらう。買う理由を、お客さんに与えるということですな。


 お客さんが買う理由というのは、もうホント、さまざまです。それはお客さんが自分で気づいている場合もあるし、自分で気づいていない場合もたくさんある。それというのも、人間の精神構造にもともと大きな違いがあるからです。


 ここでまた、お約束の多湖輝氏の心理学の実践書シリーズには、「国民性の違い」として、次のような例があります。


○アメリカ人…外向型。開放的、ざっくばらん、人懐っこい、気軽に打ち解ける。

○ドイツ人…内向型。威厳を繕う、形式ばり、閉鎖的、とっつきが悪い。


 つまり、アメリカ人は、他人に立ち入らせたくない「私的な領域」が狭いのに対し、ドイツ人は広いから、上記のような国民性の違いが現れる。しかしドイツ人は、はじめはちょっととっつきにくくても、一度、「私的な領域」の中に入って深く交際するようになると、たちまち肝胆相照らす仲になるらしい。


 これと同じように、お客さんといっても、アメリカ人型、ドイツ人型、そのほかの型、さまざまな人がいるわけです。当然、商品を買う理由も全部違う。


 そのため、顧客ニーズを把握することが営業にとってもっとも大事だとよく言われますね。これに反論する人はいないでしょうし、皆、頭ではわかっている。わかっているんですけども、実際、営業の現場で見ていると、会社で商品開発したときのデータ。または、営業マン自身の興味や価値基準をそのままお客さんに押し付けている場合が結構多いんです。


 たとえば、エアコンを買おうと思って電気店へ行く。すると販売員がやってきて、音が静かでさまざまな付属機能のついた新商品を勧める。買いに来た人は、エアコンが静かだといっても家の周りが騒音だらけであまりその点には興味がない。いろいろ聞いてみたいんだけど、あんまり突っ込んで質問すると無理やり買わされそうでためらうというケース。私だったら、とにかく安くて値ごろ感の商品って決まってますが、あまりあからさまにそれを言うのもはばかられ、結局、別のディスカウント店でよくわからないまま買い、あとで後悔ということも結構ありました。 


 人ははそれぞれ価値基準が違います。どこを突けば、お客さんは商品に興味を示すのか、いろいろ広く突いてみる必要があります。そのためにはお客さんの話をよく聞くことが大切ですね。


 ●お客さんのバイイングポイント(買う理由)をいち早く察知し、そのバイイングポイントを徹底的に攻めることが営業の最短距離である。

 そのために、営業マンは、バイイングポイントを見出す感度を磨くことが大事である。でも、そんなこと、一朝一夕に磨けるもんじゃない。


 お客さんにタイミングよく質問し、ニーズを把握すればいいのだと言う人がいます。ロバート・コンクリン(ゆうこりんじゃないですよ)というトップセールスマンの書いた『確実にセールスに成功する法』の中で紹介されている。これがあまりにあっけなくて、しかしそうかも、と納得する方法なのですよ。


 今日は、スープカレーの食べ過ぎで胃がもたれ、苦しいのです。この続きはまた次回…。