ビジネス便利屋のここだけの話 -6ページ目

私の仕事に役立ったビジネス書7 (お客さんと仲良くなるには2)

う~、体が痛い。そして、だるい。やっぱりおとといのハイキングはきつかった。年をとると次の日じゃなく、二日後に筋肉痛が現れるようで。  


しかもさっきまで、修羅場でした。昨日の夜、パソコンの調子がおかしくなり、どうしようもなくて再セットアップをしたのです。すると今度は、インターネットにつながらなくなってしまった。そこへ持ってきて、仕事の依頼の電話がどっと。滅多にそんなことないのですけどね。  


インターネットがつながらなければ仕事にならないので、かなりあせりまくってプロバイダに電話しました。ああだこうだ係りの人とやりあったのですが、結局そのときは理由がわからずじまい。  


ふぅ、もう今日はいいや、と開き直って、パソコンをいじくったら突然、インターネットにつながったのです。


  な、なんと、ユーザIDのコンマを入力するのを忘れていたぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!  


あまりに初歩的なミスなので、プロバイダの係の人もわからなかったみたい。どうもすいませんでした。あの超難関(?)の初級シスアドに一発で受かった私が…。(笑)  


この場を借りて、プロバイダの担当者さまに深く、お詫び申し上げます。  


さて、先日はお客さんと仲良くなる方法のひとつとして、「ほめる」ということを書きました。人は、自分がまったく気づいていなかった点についてほめられると喜びが大きいということでしたね。  


ただ、ここで気をつけなければならない点があります。ずっと昔に、糸山英太郎の「太陽への挑戦」という本を読んだのですが、この中に興味深い記述がありました。  


糸山氏は、若い頃、自動車販売会社でセールスマンをした経験があったそうです。そのとき、どの先輩セールスマンも、お客さんの所有する車を見て、悪いところばかり指摘する。今、お客さんが乗っている車は、こんなにいろいろ問題点があるんですよ、だから、私が勧める当社の車に買い替えなさい、と。  


これに対して、糸山氏は、徹底的にお客さんが今乗っている車を徹底的にほめたそうです。今、お客さんが乗っている車というのは、ライバル会社の車ですよね。敵に塩を送るというわけじゃないのですが、すばらしい車に乗っていらっしゃいますね、とお客さんのセンスをほめたたえた。するとお客さんが喜んで、糸山氏の話に耳を傾けてくれる。当然、売り上げが面白いようにあがって、糸山氏はトップセールスマンになったそうです。  


この点について、多湖輝氏の心理学の実践書シリーズには次のような記述があります。


●人は自分の一部分、あるいは自分と密接な関係にあるものを評価されると、自分の全存在が評価されたように思い込む。  

先ほどの例で言いますと、お客さんの所有している車が、「自分と密接な関係あるもの」にあたります。だから、これをけなされると、自分がけなされたような気分になる。逆に、これをほめられると自分がほめられたような気分になるんです。  


だから、お客さんの持つ服装や家族、車、家、高額な商品のことを話すときは注意が必要です。  


下手な営業マンを見ていると、結構、この罠に陥ってますな。お客さんが持っているライバル会社の商品をけなしまくってる。  


この製品は、こんなに駄目なんですよ。だからうちの商品を買いなさい、と。  


そのときのお客さんの顔を見ていると、苦笑してますが、決して目は笑っていない。


 お客さんが、ちょーむかついてるのに、下手な営業マンは自分の言葉に酔いしれちゃって全然気がつかないんです。結果として全然売れず、何で売れないんだろうと、首をかしげる。しかし、いつまでたってもその理由に気づかない。  


うーん。やっぱり相手があることですから、相手の表情から、お客さんの心理状況を読みとって、臨機応変に対応しなければ…。  


私の場合、これを逆手にとって、お客さんが持っているライバル会社の商品を徹底的にほめまくる作戦に出ました。もう、「お世辞」と言われようが、「おべっか」と言われようが、歯が浮くような口調でやる。  


すると、面白い結果になるんですよ。  


お客さんのほうで、自分が買った商品をけなしまくるんです。  


「いや、君はそう言うけど、私はこの商品のここが嫌いでね」 「ここをもう少し変えれば、自分の好みになるんだけどな」 …、という調子で。  


その言葉にじっと耳を傾けていると、お客さんのいわゆる「顧客ニーズ」がわかるんです。  


ああ、このお客さんの商品を買うポイントはここだな、というのがわかる。これが、バイイング・ポイントというやつです。これがわかれば、その部分を集中的に説明し、自分の勧めるこの商品こそ、お客さんの求めておられる商品ですよ、と納得してもらうわけです。  

でも、実際の場面では、買うという行為にはもっといろいろな要因が結びついていて、ひとつの枠組みの中には入れられませんが…。  


次回もまた、お客さんと仲良くなる方法の続きを書きたいと思います。さぁ、これから仕事。頑張ろうっと。

伊豆ヶ岳リベンジ

おとといのプログにも少し書きましたが、やっぱり昨日、ハイキングへ行ってきました。ガイドブックには、総歩行距離14.5キロとありますが、実感としてはもっと歩いたかも。  


場所は、奥武蔵の明峰・伊豆ヶ岳。今年の正月に出かけ、ものすごい積雪にはばまれて頂上を極められなかった山です。4.5ヶ月ぶりのリベンジ。今度こそ、頂上を極めるぞ、と西武秩父線、正丸駅を降り、勢い込んで山道を歩き始めました。  


渓流沿いの美しい集落を越え、細い山道へ。前回来たときは、膝まで雪に埋もれながら苦労して登った場所です。木の根っ子やロープにつかまりながら登る箇所もあって、ホントに前回はよく登ったなと、我ながら感心しました。  


さすがにそんな苦労の経験があってか、どんどん登り、先行するハイカーを次々に追い越していきます。団塊世代の登山同好会の十数人のメンバーを追い越し、ますます調子づき、伊豆ヶ岳真下の尾根まで一気に登りました。まわりを見ると、どこぞの大学生数人が疲れて倒れている。もう息も絶え絶えの状態で…。  

思わず、  


なにやっとんじゃ、オラ!! 気合だ、気合だ、気合だぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!  


と叫び、気合を入れてやろうかと思ったのですが、アニマルおやじと言われるのもしゃくなので、ちょっと会釈しただけで行き過ぎました。さて、もうあと一歩で、伊豆ヶ岳の山頂です。


 伊豆ヶ岳に正丸側から登るには、男坂と女坂があるんですよ。男坂は、鎖を使って岩場をロッククライミングのようにして登る。入り口に立て看板があって、「落石の危険性があるので、登る人は自己責任で登ってください」と書かれている。下から見上げるとすごい断崖絶壁で足がすくみそうです。  


当然、ハイカーは、安全な女坂へ行く人が多い。昨日の感じでは100人中98人が女坂へ向かったでしょうか。  


私も女坂へ行くつもりでした。ただ、崖の真下から頂上を見上げる写真を撮ってやろうと思ったのです。そして崖の真下まで来て写真を撮ろうと思ったもののなかなかいいアングルがない。ちょっと登ってみればうまく撮れるかもしれないと、よく考えず鎖を握って登り始めました。  


若い頃から結構身が軽いのと、フィールドアスレチックの経験もあったので、スラスラ登れる。さて写真を、と思って鎖を離し、下を見たら、ゲッ!!!  


断崖絶壁の途中で、岩に張り付いているあわれな中年男がひとり…。  


公園の遊具の鎖だと思ってずんずん登ってきちゃったんですね。とても降りられない。男坂を登るつもりはなかったのですが、ここまで来てしまったからには登るしかない。結構ヒヤヒヤしながら登りましたよ。途中一回、危ない場面がありました。鎖を離してしまったので、フリークライミングみたいに登るしかない。どこにも足を置く岩が見つからず、バランスを崩しそうになりあせりました。こんなとき、上から落石があったら…。


 結局、登れたからよかったものの、怪我しても自己責任ですからね。やっぱり危ないことはやめたほうがいいです。  


そこで体力を使い切ってしまったのか、高畑山から天目指峠を越え、子ノ権現までのアップダウンでは完全にグロッキー気味。午後2時半ごろでしたか、ゼイゼイいいながら、木の切り株に座って休んでいると、午前中聞いた記憶のある鈴の音が。  


なんと驚くことに、午前中追い越した団塊世代の登山同好会の十数人のメンバーが、50メートルぐらいのところまで迫って来ているではないですか。心なしか、彼らも私の姿をキャッチして追撃のスピードを増したみたい。  


追いつかれる…。  


私がそのとき思ったのは、うさぎと亀のあの有名な童話です。今になって思えば、別に競争しているわけじゃないんですから、抜かれたってどうでもいいことなんですけどね。  


でもそのときは、スピルバーグの「激突」の映画のワンシーンが頭によぎりました。そして、メンバーの一人が持つ鈴の音が、エイリアンの近づいてくるテーマミュージックに聞こえたのです。  


その場から立ち上がると、疲れる体に鞭打って前に進みました。それを見て、「抜ける」と思ったのでしょう。彼らもスピードを上げてきます。  


最後は両者ともほとんど駆け足のようになって、子ノ権現の境内に飛び込みましたよ。ホント、疲れました。


古くは、東京オリンピックの円谷幸吉。最近ではシドニーの高橋尚子みたいに追われる苦しみがわかりました。  


また、競争主義で日本経済を引っ張ってきた団塊の世代は恐ろしさも実感しましたね。彼らが一度に定年を迎えたら、日本はどうなってしまうのでしょうか。  


それにしても、何をやっているんだろう、私は。  


月曜からはまた、私の仕事に役立ったビジネス書シリーズを続けます。

私の仕事に役立ったビジネス書6 (お客さんと仲良くなるには)

 いつも私のブログをお読みいただき、ありがとうございます。


 さて、今日はいきなり行きましょう。テーマは、お客さんと仲良くなるにはどうするか。 


 お客さんと仲良くなるにはまず、お客さんをほめることが重要です。てなこと書くと、


 そんなこと今さら言われなくてもわかってるよ。あったり前田のクラッカーじゃん。                              

 …って言われるかもしれませんね。


 しかし、です。この誰でも知ってる常識を、世界のトップセールスマンであり、なおかつビジネス書の世界的なベストセラーの著者である、デール・カーネギーとロバート・コンクリンが自著のなかでかなりのページを割いて触れているのですよ。


 ちなみに、デール・カーネギーの「人を動かす」とロバート・コンクリンの「説得力」はビジネス書の名作と言っていいでしょう。あまりにも有名なので、もう御存知のかたもいらっしゃると思います。しかし読んでみて、それほど驚くべきビジネスのノウハウが書かれているわけではない。


「あなたを90日間で超人的なビジネスマンへ変える」わけでも、「こんなすごい方法があるなんて知らなかったぁぁぁぁぁぁぁ~!! 脅威の超販売促進原則」なんてのもありません。


 中に書かれていることはいたってオーソドックス。読めばなるほどと思う。しかし頭の片隅にあっても、こうしてきちんと体系立てて書かれていなければ見過ごされてしまうことって結構多いのだと気づかされました。やれば誰でもできるし、やることに異論はないのだけれども、こうしてきちんと理由づけて言われなければやるのが難しいこと。


 ビジネス書の名著って言うのは、そんなもんだと思いますよ。よく、ひとつの事業に成功したノウハウを本にするケースがありますが、それをそのまま真似してもうまく行きません。ヒト、モノ、カネの条件がそれぞれ違うし、社会背景、運の要素もある。なんてったって、その著者ほど、世の中の普通の人はあくや押しが強いわけじゃありませんから。


 ちょっと話が横にそれちゃいましたが、要は、口に出してほめることが意外に大事だということ。しかし、これが実際の場面ではなかなか難しい。


 先日、こんな失敗をしました。私の銀行時代の上司が頭取に就任したんですよ。それで、昔お世話になった人たちでパーティーを開催したのです。そのとき私は、頭取に、「○○頭取のご指導のおかげで、頭を使って仕事をすることを覚えました」って、昔のお礼を言いました。すると、頭取はムッとした顔で、「おべっかを言うな」と私をたしなめたのです。


 心の底から、お世話になったお礼を言っただけなのに…。


 頭取は仕事に厳しい人でしたが、清廉潔白で、まわりからおべっかを言われ続けてうんざりしていたのかもしれません。社会的地位の高い人は、日頃言われ続けているためか、「ほめる」=「お世辞」「おべっか」ととられる危険性があります。


 しかし、たとえ「お世辞」であっても、ほめるということが、人間関係を潤滑に運ぶもっとも良い潤滑油であることは間違いありません。要は、ほめ方が大事なのです。

 この点につき、多湖輝氏の心理学の実践書シリーズには次のような記述があります。


●思ってもいなかったことをほめられると、喜びは倍増する。 

 この本の中には、人間のうれしい感情には二通りあると書かれています。


 ひとつは、「自己確認」のうれしさ。たとえば、自分でもよく知り、自分の長所をほめられた場合。これは自分でわかっている事柄だから、ほめられてもそれほどうれしくない。

 先ほどのケースで言えば、頭取が昔から常に自分の部下のレベルアップを考えて、こと細かく指導してきたという事実ですね。だから、その点をほめても、何をいまさら、上司として当たり前のことだろ、とムッとしたのかもしれません。


 ふたつめは、「自己拡大」のうれしさ。これは、自分がまったく気づいていなかった点を他人から指摘された場合です。本には、こちらのほうが喜びが大きいと書かれています。


 さて、さっきのケース。その後、頭取は私に、「今でも、体、鍛えてるのかい?」と聞きました。


「ええ。もちろんですよ。頭取も、ウエストに全然、ぜい肉がついていませんね。何かスポーツをされているんですか?」


 私がそう言うと、急にニコニコ笑いながら、「また、いい本書いてよ。買いますから」と私に握手して、上機嫌で去って行きました。


 よほど、他人から指摘されたことがなかったんでしょう。


 こっちのほうが、お世辞だったのに…。 

私の仕事に役立ったビジネス書5 (お客さんの警戒心を解くには2)

今日はいい天気ですね。またハイキングへ行きたいなぁ。今年の正月に秩父へハイキングへ行き、山の頂上へたどり着けず、志ならずも勇気ある撤退を強いられたのですよ。


 その理由は、積雪。東京はまったく雪が残ってなかったのに、埼玉の山間部はスキーができるぐらいすごかった。しかし、せっかく来たんだ、行こう、と山を登り始め、すぐ後悔しました。最初、道が雪かきしてあったのですが、やがてアイスバーンに。何度も転びながら進むうち、とうとう雪が膝の辺りまでくるじゃないですか。それでも必死で山道を登ってゆき、尾根に出てまわりを見渡すと唖然としました。まるで映画で見た、「八甲田山」。


 「天は我々を見放したか~」と、もうそこで進軍を断念しました。普通のスニーカーですもんね。スキー場の上級者コースの頂上にスニーカー履きで立っているようなものです。


 山を降りるのが大変でした。何度も足を踏み外し、もんどりうって転び、柔道一直線の地獄車にかけられたようなシーンもありました。それでも何とか、ダウンジャケットがボロボロになったのと、数箇所かすり傷を負っただけで生還できました。学生プロレスで、空中殺法のトレーニングを積んでいてよかった。明日、再チャレンジしようかな。



 さて、昨日おとといと、お客さんの警戒心を解く方法について書きました。このほかにも、多湖輝氏の心理学の実践書シリーズには次のような記述があります。


●「なにげなさ」「偶然のイベント」などによって、心理的な規制や隔壁が取り払われる。

 いかにも営業に来ました。という感じで、肩に力が入り、必死の形相でお客さんを訪問すれば、相手はギョッとして、臨戦態勢に入っちゃいます。


 プロレスで、タイガー・ジェット・シンやアブドーラ・ザ・ブッチャーが頭にターバンを巻き、サーベルやいかにも凶器を隠し持っているように入場してくるのと同じ。アントニオ猪木だって、いったんリング下にエスケープして状態を立て直そうとします。こんなとき、さんざん威嚇して入場しておきながら、シンやブッチャーがそのあとすぐ、ニコニコ笑って握手を求めてきても、誰も警戒を解こうとはしませんよね。←ちょっとたとえ話が古かった?


 最初の段階で、お客さんが構えてしまったら、警戒心を解くのは非常に大変です。出直したほうがいい場合もある。ではどうしましょう。


 たとえば、「なにげなさ」を演出して、営業に来たと思わせないのは、どうでしょうか。

 この心理原則も現場で仕事をしていた時代、よく利用しました。


 「たまたま近くへ参りましたので、ご機嫌伺いに寄らせていただきました」

 「今、ほかのお客さんから、こんなにたくさんりんごをいただいちゃったんですよ。とても会社に持って帰れないので、いくつかいかがですか?」

 もちろんりんごは本当にもらったものですが、ここだけの話、持って帰ろうと思えば全部持って帰れました。しかし、このりんご数個が契機となって、その後大きな取引に発展したのです。当時私は、「わらしべ長者」ならぬ「りんご長者」と呼ばれました。


 お客さんとしても、営業マンが遊びに来たような感じで言うもんだから、「営業が目的じゃないんだ」とリラックスして話してくれるのでしょう。


 ただ、せっかくお客さんがリラックスして話してくれているところへ、突然、「営業狼」に変身して襲いかかるのはやめたほうがいいです。お客さんが警戒を解いてくれた、という目的だけを達成したらその日は帰ったほうがいい。そんなことを何回か繰り返しているうちに、お客さんのほうが、何か話したいことあるんじゃないの? という雰囲気になってくるのです。


 多湖輝氏の心理学の実践書シリーズには、この点について次のような記述があります。


●人の警戒心は、一度相手に踏み込まれてしまうと、強くなるよりはむしろ、次第に弱まってゆく。

 卑近な話で恐縮ですが、飛び込み訪問で日本一の営業マンといわれた人が、かつて講演会で申しておりました。


 家のドアを開けさせ、玄関に座り込んでしまえばもう勝ちだ、と。


 それ以来、私の会社や家には、絶対飛び込みの営業マンに座らせない工夫がしてありますです、はい。


 それはともかく、口コミの情報なんてのも、「偶然のイベント」によって、心理的規制や隔壁が取り払われるケースですね。

 つまり口コミは、伝え手に伝える積極的な意思がない。意図、動機がほとんど問題にされることがないから信憑性があると思われる。だから口コミは信頼されやすいのだと思います。口コミ戦略について書かれた本はあまたありますが、なかなか実務に応用できないというのは、作為的に偶然のイベントを演出するのが難しいからですな。その点についてもいずれまた機会があれば、触れてみたいです。


 次回は、もっとくだけてお客さんと仲良くなる方法について書きたいと思います。皆さん、よい連休を。

私の仕事に役立ったビジネス書4 (インテリを説得する方法)

昨日までは寒いぐらいでしたが、今日辺りから暑くなりそうですね。いよいよ夏本番! 外回りのビジネスマン、はたまた会社訪問の学生さんには厳しい季節になりそうです。でも夏は、なんか気分的にアクティブになって、汗をかきながら会社をまわると仕事してる~っていう気分になりますよね。


 とくに営業がうまくいったあと、自動販売機で買う、キーンと冷えた缶コーヒーの味は最高です。といって、次の会社で、暑いのにご苦労様だねとまたアイスコーヒーを出され、また次の会社も。断るのも悪いからそれらを全部飲み干す。


 胃がぐるじいぃぃぃぃぃぃぃぃ~、気持ちわる~

 と青い顔しているのに、「ありゃ、脱水症状起こしてるじゃないの?水分、水分」とビールジョッキに、なみなみとアイスコーヒーを満たして出されたときは、正直、卒倒しそうになったことがありました。夏は体調管理も難しい季節です。くれぐれもご自愛ください。


 さて、今日も昨日の続きを書こうと思っているのですが、あれから自分のブログを読み直してみて、お客さんとの共通点として趣味の部分に偏りすぎてしまったかもしれないと感じています。


 新規のお客さんの場合、いきなり趣味の話に持っていくのは、よほど第一印象がさばけている人か、これみよがしに趣味のグッズが社内に置いてある場合で、現実にはさほど多くありません。


 何のヒントもない場合も結構あるのです。その場合、前にも書いたことがありますが、もし名刺交換のとき珍しい苗字の社長さんだったら、「めずらしいご苗字ですね。どちらのご出身ですか?」と出身地を聞く。自分の知り合いのいる土地だったら、その人から聞いている話ということで、かなり詳しくその土地の情報を話す。知っている人がいなくてもいいんです。その土地の情報さえ、「よく知ってるね」と相手が言ってくれるぐらい頭に入っていれば、知り合いから聞いたということにしてもいい。それだけでも、その後の親密度が違ってくるから不思議です。


 でも、その場の行き当たりばったりで調べていたら非効率ですよね。


 話の順序が逆になりますが、もっと大事なのは、あらかじめ攻略したい相手の経歴なり、趣味を調べ、自分との共通点がどこにあるか、あたりをつけてから交渉に臨むことです。

 会社なら帝国データバンクから出ている分厚い本、社長個人の経歴や趣味、家族構成が載っている紳士録みたいなものが結構ありますよね。個人情報保護法が施行されてから、それらの扱いがどうなったのか知りませんが、今はもっとすぐれもののインターネットがあります。それらを調べてみると、社長さんの知らなかった一面がわかる。


 こわい顔してるのに猫好きだったり。家族が自分の親族と同じ病気で悩んでいたり。娘が自分の出身大学の付属校へ通っていたり。ちなみにこの場合は、どこの学部を選んだらいいかと個人的に随分相談をもちかけられました。


 「ユダヤ式交渉術」という本には、あらゆる手段を尽くして交渉相手の情報を手に入れることが重要だと書いてあります。いずれ触れるかもしれませんが、この本も結構役に立ちました。なんでも国家外交の場合では、交渉相手の伝記ができるぐらい個人情報を収集するとか。


 そして、それらの情報を収集して、交渉を有利に持っていく方法も、多湖輝氏の心理学の実践書シリーズには書いてありますよ。すなわち、今日の本題のインテリを説得する方法。それには、以下の記述があります。


●教育程度の高い人間は、説得者の意図する方向だけの説得よりも、その意図に反する情報を含めた説得によって、より動かされる。

 この心理原則は、実務上、なるほどと感心しました。その通りなのです。本の中では、ある自動車販売店の優秀な営業マンの実例が載っています。


 その営業マンは、お客さんの学歴をそれとなく聞きだしてから、それに応じた売り込み方法をとる。

 たとえば、高学歴のお客さんには、ある程度、自分の売る車の短所を述べながら、あわせて長所を強調する。


 しかし、学歴の低い人に対しては、長所を徹底的に力説するのだそうな。 


 学歴云々で、対応の仕方を変えるというのは、ちょっとクレームがありそうですが、これは実験で証明された結果だそうです。


 なぜインテリには両面説得がいいのかというと、インテリの疑い深さ、自分の判断力への自信がそうさせるらしい…。


 理由はともかく便利屋さんは、この心理原則を、仕事の中で次のように利用しました。 


 まず、自分の売りたい商品をお客さんが買うメリットを考えられるだけ考える。つぎにお客さんが買ったらマイナスだと思う部分も考える。しかし、マイナスの部分は、決定的な欠点ではなく、まぁこれなら許せるという部分だけ使う。


 そして、お客さんがインテリ(この場合、学歴云々より、そのお客さんが理論派かどうかという点で使い分けました)だと思ったら、マイナス部分をちょっと隠し味に使い、しかしメリットを強調しながら交渉しました。 

 ビジネスの交渉相手は大抵、理論派のインテリですから、結構使えるシーンがあります。この交渉術を使った感じは、セールスの内容に信憑性が出て、この営業マンは嘘を言っていないな、と相手が思ってくれることでした。


 逆にはっつぁん、くまさんタイプのお客さんは、マイナス部分を言うと、


 「だめなところがあるなら、こんなのいらない」

 と言われ、まさにそうなんだと苦笑。さすが心理学、実験嘘言わない。


 でも、これって意外と、社内でも使えるシーンがあるんですよ。


 たとえば、インテリの上司を説得するとき。ちょっとしたマイナス部分も含めて報告書を書いたり、決裁をもらうとき利用できるんじゃないでしょうか。報告書や企画書の信憑性が増しますから。


 いつもガミガミ言われている上司も、心理学の実験材料だと思えば、不思議とストレス解消になりますよ。

私の仕事に役立ったビジネス書3 (お客さんの警戒心を解くには)

私のブログが、多くの方々に読んでいただいているみたいで、どうもありがとうございます。コメントもいただき、ともすればブログをさぼろうかという怠惰な心に、活力のエキスが注入されました。これからも頑張ってブログを続けていければと思います。


 さていきなりですが、今日は、多湖輝氏の心理学の実践書シリーズを、どうやって仕事の中に活かしたのかという具体例でしたね。


 まず、営業の中で誰もがもっとも苦労する、「お客さんの警戒心をどうやって解くか」、という点について書きたいと思います。


 これは、新しいお客さんと会話する場合ももちろん使えますが、新任の上司、はたまたプライベートで、新しい友人を紹介される場合にも使えるのではないでしょうか。


 多湖輝氏の心理学の実践書シリーズでは、この点について以下のような記述があります。


●人は自分と似た社会的背景や態度を持つ人に対しては、最初から不用意に好意を抱いてしまいがちである。

 自分と似た社会的背景って、具体的になんでしょう。それは、趣味や学歴、家族構成、出身地などです。これらが、自分と似ている人に対しては、人間は自然と好意を抱いてしまう傾向があります。


 だったら、こちらとしては、相手と自分とのそれらの共通点をすばやく見つけ出し、それを核にして話をすすめればいいということになります。共通点を持った人に対しては、初対面なのに、十年来の友人のような気分になる、と言ってもいいでしょう。


 たとえば、たまたま名刺交換した人と話をしていて、郷里が同じで、高校の先輩後輩の間柄だとわかったとき、「おぉぉぉぉぉぉぉ~」と誰もが目を見開き、「あの先生、覚えてる?」なんて言いますよね。その話題だけで、高校の同級生になったかのような親近感を覚える。相手がお客さんだったら、何回も通い続けてやっと親しくなる関係が、一瞬にして築ける、と言っていいでしょう。


 私の場合、この心理原則を最大限に活用しました。初対面のお客さんと、個人的に親しくなりたい場合、商品の説明や自分の会社の説明は必要最小限に留めます。大きな目標はただひとつ。それは…。


 お客さんと自分の共通点がどこにあるのか探り、その話題でお客さんに気分よく話してもらうこと。

 以前、「お客さまを森山周一郎にしよう」というテーマで、ブログを書きました。それは、個人なら住宅の玄関、家の周り、会社なら、社長室などの社内にお客さんが話題にしたがっているヒントが数多く隠されている、というものでした。


 この場合も同じことが言えると思います。


 つねにアンテナを張り巡らして、その中に自分との共通点はないか探り、あれば初回はその話題に集中して、突破口を開く。


 それはお客さんの関心のあることなら何でもいいと思います。前にも書きましたが、釣り大会やゴルフのトロフィー、お客さんが自分で作った帆船の模型。社長の個人的な趣味がうかがえるグッズが結構ある。もし自分も同じ趣味を持っているなら、目を輝かせて、「すごいですね~。今日は仕事の話はやめませんか。これを拝見してしまったら、もう仕事どころではありません」と興味を示す。するとお客さんは、同じ趣味を持つ仲間だと思って、その後行くと歓迎してくれるのではないでしょうか。経験上、両者とも、かなりマニアックな趣味を持つ同朋なら、まず新規得意先深耕は大丈夫でしょう。


 それらの趣味を思わせるグッズがなくても、初対面で自分のプロフィールを面白おかしく話せればいいと思います。そうすれば、そのなかの共通点にお客さんが気づき、質問なり、目を輝かせたりしますから、そこで我々としては共通点を発見することになります。


 本当は、お客さんと自分との共通点を探すために、質問をすればいいのですが、お客さんを尋問しちゃう下手な営業マンがいるのですよ。当然、お客さんは不快になって、そこから先には踏み込めない。


 相手を不快な気分にさせず、質問しながら、お客さんと自分との共通点を探る方法というのはいろいろありますが、かなり上級な営業テクニックが必要だと思います。私の場合、これをもう一歩発展させて、チラシを用いて、上記の方法から新規顧客開拓に結び付けていったのですが、これはまたいずれ触れたいと思います。


 以上はほんの一例で、お客さんの警戒心を解く方法についてはほかにもいろいろあります。それからさまざまなテクニックをその場その場で有効に使い分けてゆくのが重要ですね。


 次回は、インテリ攻略法を中心に、お客さんの警戒心を解く方法の続きを述べたいと思います。

私の仕事に役立ったビジネス書2

昨日、さんざん引っ張って、結局中身を書かずに終わってしまった記事、「私の仕事に役立ったビジネス書」。

 さて、何から書こうと、当時メモしたバインダーノートを書棚から出してきて見ているのですが、スゲェー細かい字でぎっしり、しかもスゲェー厚みのバインダーノート6冊分。よほどあせって書いたのか、よく言えば速記、悪く言えば汚い字で、他の人にはまず解読できないでしょうね。


 創業当初は、生き残るために必死だったなと当時のことを改めて考え、初心に戻って頑張らねばと再び決意を新たにしたのでした。

 それではまず、「営業に効くビジネス書」から行きましょうか。この分野で自分にとって、一番役立ったビジネス書は、ごま書房から出ている多湖輝氏の心理学の実践書シリーズでした。(これはビジネス書と言えるのか、自信がありませんが)


 たとえば、「心理トリック」「言葉の心理作戦」「人間心理の落とし穴」「好印象を与える自己表現術」「深層説得術」「しぐさ・動作・ふるまいの心理学」「読心術入門」「読心術」「お金の心理学」などです。


 これは今でも出版されているのですかね。社会人になったごく初期の段階から読み始めているのですが、最初の独立開業で失敗したあとは、ほとんど暗記するぐらい読み込みました。別にアフィリエイトをやっているわけじゃないので、これを勧めても一銭の得にもならないのですが、やはりいいものはいい。


 この本の中で読んだ項目を、次の日、営業活動でお客さんとの会話に使ってみるんですよ。すると、本の中に書いてあった通りの結果になる。面白いから、自分で工夫しつつ、オリジナルの利用方法を考える。それがまたピタリあたる。


 実はここだけの話、私がこのシリーズを読んでいるなんて誰にも話したことがないのです。皆、心理学の入門書か雑学書ぐらいの位置づけなんじゃないでしょうか。


 銀行員時代、これらを盛んに読んで、営業に活かしました。全店営業マン中、新規開拓企業数で第2位。約十年間の銀行員生活中、ノルマを達成できなかったことが一回もなかったというのは、やはりこれらの本のおかげだと思います。それから、手に職もなく今まで生き残って来れたベースになっているのもこれらの本から得た知識のおかげだと思います。もともと、人見知りで、しゃべるのが苦手なのですよ。今でも、2~3日、人と話をしなくてもとくに苦痛は感じません。そんな人間でも、心理学における人間関係の研究だと割り切れば、誰とでも話せるんですね。


 だから、ライバルにはずっと内緒にしていたのです。すいません。こっちも生活がかかってましたので。もっとも、おもしろ心理学の本が、営業に生きるなんて、エリート人間の頭の中にはなかったみたい。小難しいマーケティング理論や営業マナーの本、最先端の経済、金融理論の知識を頭に詰め込んでも、営業という人間関係論の直接解決にはなりにくいのです。(もちろん、それ以外の分野では有用ですし、間接的にプラスになる部分は大いにありますが)


 じゃあ、それをどうやって仕事の中に具体的に活かしたのか、という点については、すいません、次回にさせてください。もともと、メルマガの企画に考えていた内容なので、これからも気長にシリーズ化してゆくつもりです。

私の仕事に役立ったビジネス書

なんか最近寒いですね。今日の朝なんて、コートにマフラーをして歩いている若い人もいました。よく見ると、茶髪にメガネ。


 マフラーもヨン様巻きっていうじゃな~い? だけど、顔は波田陽区ですからぁぁぁぁぁぁ~、残念!!!

 また、どっちも古い話題を…。ユジン、ユジンはどこ? と彼を見て、一瞬まわりを探してしまった自分が恥ずかしい。


 と、またつまらない前ふりのあと、今日は久しぶりにビジネスの話題に戻りたいと思います。最近、ずっと、直木賞やミステリー、純文学?がらみの話題に終始しましたからね。一応、ビジネスの便利屋さんですから、ビジネスブログがホームグラウンドかなと思っているので。


 私は、ビジネス書も自慢じゃないけど結構読んでると思います。とくに成り行きで独立開業してからは、ビジネス書を読むのが仕事じゃ~、というぐらい読んでました。


 もっとも、ホントは最初の頃、仕事がまったくなくて暇だったのと、どうやって仕事をしたらいいかわからず、ビジネス書で調べていたと言ったほうがいいかもしれません。なんでそんなに無計画に銀行を辞めたの? と、素朴な疑問を持たれるでしょうね。もちろんそんなことなくて、最初に手がけた仕事が、半年でポシャッテしまったのです。しかも資本金の800万円が半年でゼロになるぐらい瀕死の状況で…。


 その間の事情は長くなるので、いずれ心の整理ができてから書くとして、とにかく何もないところから新たに事業を起こす必要がありました。今度は失敗できないし、なおかつお金もありません。ビル清掃のアルバイトをしながら、時間があるときは図書館にこもってビジネス書を片っ端から読みふけりました。具体的には、朝一番に図書館の「経営、商業」の書物が並んでいる棚へ向かいます。そして、役に立ちそうな本を二十冊ぐらい抜き取るとそれを両手に抱えて閲覧室へ行き、机の上にそれを積み重ねて、次々に飛ばし読みをするのです。


 そのときはもう、面白いとか、いずれ会社が大きくなったときに役立つとか、悠長なことは言ってられません。今すぐ役に立つ本、今すぐお金が稼げる本、今すぐ営業力がアップする本という条件で、二十冊の中から三~四冊を選び出すのです。そして選んだ本をまたさーっと読み、仕事や新事業のアイデアに使えると思った箇所を、ノートに書き写しました。


 そんな作業を週3~4回、半年間ずっと続けました。どれだけビジネス書を読んだでしょうか。斜め読みをした本の数は数えていないのでわかりませんが、東京都港区、品川区の全図書館と大田区、千代田区、世田谷区の半分の図書館の「経営、商業」関係のビジネス書の大部分に目を通したと思います。


 それだけ短期間にビジネス書を読みまくっているとどうなるでしょうか。


 やっぱり変な人になりますね。当時はまだ三十代の前半だったので記憶力もありました。夜寝ていると、夢の中で、昼間読んだビジネス書同士が喧嘩しているんですよ。


 「その程度の営業戦略で売れるわけないだろ?」「そんなの机上の空論だね。あんた、現場で商売を立ち上げたことあんの?」「DMで3パーセントのレスポンス率? 嘘もいい加減にしろ」

 頭の中で、ビジネス書の著者同士が罵り合っている。ビジネスの世界、とくにマーケティングというものに絶対法則というものがないということを知りましたよ。ベストはないけれど、費用対効果などベターの部分を組み合わせて、オリジナルのビジネスモデルを自分で苦労しながら作り上げなければならない。


 そんなことを考えつつ、銀行時代や最初の独立開業のとき知り合った社長さんたちと話をしているうちに今の「ビジネスの便利屋」の仕事を頼まれるようになったのです。それというのも、ビジネス書によって変わった考え方ができるようになったからかもしれません。


 今日はちょっと抽象的なお話になってしまいました。でもビジネス書って、ホントに大量にありますが、中には孫悟空に超能力を授けたような「実務に使える部分」も数多くあるのですよ。聞いてしまえば当たり前かもしれませんが、ちょっと名人がスパイスを効かせるだけでメインデッシュになるような。


 次回はそんな「私の仕事に役立ったビジネス書」のことを具体的に触れようと思います。

近視と網膜はく離の深い関係

今日は日曜日。午前中はNHK教育の「日曜美術館」を見てからパソコンでメールチェックをしたあと、プリンターでミステリー小説を打ち出しました。そう。昨日のブログで書いた私のどーしょーもない作品です。それを封筒に入れ、今、S弁護士事務所の宛名を書いたところ。  


仕方ないなぁ。私の作品を見なければ、弁護士先生は小説を書く気にならないというし…。きっとこれを読んで、自らの才能に大きな優越感を感じ、自信を深めながら純文学を書くのだろう。まあ、これで一人の純文学作家が生まれるなら、私も、踏み台として日本文学史の行間にひっかかるかもしれない。そんな犠牲的精神で、今、封をしたところです。  


そういう気持ちにさせたのは、昨日、大学医学部の公開講座を受講したからでしょうか。昔、クリニックで働いていたことがあり、今も、脳卒中など病気の解説書を作る仕事もやっているので、医学には興味があるのです。無料講座でしたが、講師の教授がすごく熱心に、病気の治療法や研究内容を語ってくれました。受講生は、六十代、七十代の高齢者がほとんどでしたが、これまたホントに熱心。私の目の前に座っていたおばあさんはどう見ても八十歳近いのに、講師の話を一言一句聞き漏らすまいと、ノートにびっしり細かい字でメモしている。  


昨日の講座の内容は、「網膜はく離」と「コレステロール」でした。   


網膜はく離って、原因はいくつかあるらしいのですが、近視も大きな要因だと聞き、少し驚きました。要するに、眼球の中の膜がはがれるわけですから、事故などで怪我をしてなる場合が多いと思っていたのですよ。近視が原因だから、若い人でも網膜はく離になる危険性がある。三千人に一人が、近視が原因で網膜はく離になるそうです。  


もちろんそのケースもあるのですが、強度の近視、加齢に伴うもの、アトピーなども大きな原因になるみたいです。近視というのはちょっと意外でしたが、説明を聞いて納得。  


近視の人の眼球は、丸くなく、うしろに引っ張られたような楕円形をしているとか。世の中、近視の人は多いですからね。多くの人の目は楕円形になっているんですよ。すると、大きくふくらませた風船がもろいように、目の中の膜も引っ張られている状態でもろくなっている。そしてその弱くなった部分に小さな穴が開き、だんだんその範囲が広がってくるらしいです。だけど、よっぽどひどくなってからでなければ受診する人が少ないとか。


 しかし気をつければ誰でもその初期症状に気がつくそうです。それは、飛蚊症と光視症。飛蚊症って、「ひぶんしょう」と読むんですね。今まで恥ずかしながら「とぶかしょう」って言ってましたよ。読んで字のごとく、目の中に蚊やススのような黒い点が動くように見える症状。そして光視症は、青白い光が見えてしまう症状。  その話を生唾を飲みつつ聞いていると、なんとなく周りに蚊が飛んでいるような黒い点が見える。ススのような黒い点も。今まで気にならなかったのに、そう言われてみればいつも季節外れの蚊が飛んでいたような。結構、近視だし…。  


やばい。飛蚊症!?

 生理的要因というか、大丈夫なケースがほとんどらしいのですが、そのあたりの判断は、医師でなければわからないそうです。  


たとえ網膜はく離でも、初期なら、入院せず外来で治療できるレーザーを利用した光凝固術という方法があるらしい。ちなみに費用は、55,000円ぐらいとか。  


50歳を過ぎたら、年に一回は眼底検査を受けに眼科へ行かれたほうがいいということでした。  まだ50歳にはなってないけど、さっそく、眼科へGO!と思ったら休みだった。でも網膜はく離って、今は手術でかなりよくなるんですね。  


便利屋さん、またひとつおりこうさんになっちゃったもんなぁ~。(←おまたバージョン)

弁護士VS便利屋 新人純文学作家誕生?

おととい書いたブログ、「面白かった直木賞ベスト5」は、多くの人に読んでいただけたようでとても感謝しています。ちなみに、5位が2作品だったので、7位以降には以下の作品を選ばせていただきました。


●第七位 「赤目四十八瀧心中未遂」 車谷長吉著

●第八位 「愛の領分」 藤田宣永著

●第九位 「私が殺した少女」 原寮著

●第十位 「遠い海から来たCOO」 景山民夫著  


それにしてもランキングを選ぶ作業は楽しい。これは素人の特権かもしれませんね。プロの書評家や出版関係者だと、知ってる作家や出版社の担当者なんかがいて、いろいろ差し障りの出る部分もあるかもしれない。私だって、取引のある会社や病院、施設関係の商品やサービスにランキングをつけなければならないとしたら結構ビビリますよ。っていうか、できません。仕事とは関係ない分野で、これからもいろいろベスト5を発表したいと思いますね。  


たとえば、面白かった乱歩賞受賞作ベスト5、同じく芥川受賞作ベスト5、過去の映画音楽ベスト5。うーん。かたい内容だけでは面白くないな。自動販売機のそばに十円玉が落ちている場所ベスト5、営業に行けば必ず成果のあげられる会社ベスト5、アイドル顔の店員のいる牛丼屋ベスト5なんていうのはどうだろう。  


そんなのこっちが教えてほしいぐらいじゃ~!!!!!   


それはさておき、昨日の夜、便利屋さんは、仲のいい弁護士先生と二人で飲みに行きました。  


かっこいいなぁ、弁護士。その先生本人ではなく、弁護士という資格・職業が。  


便利屋じゃなくて、「便利士」と自称しようかなぁ。ひまわりに天秤の弁護士バッチの真似して、便利屋七つ道具を模した金バッチを作り、胸に飾ろうかしらん。でも、弁理士というメジャーではないけれど知る人ぞ知る資格もあるし、なんかかえって卑屈になりそう。  


それはとくかく、私はこれでも法学部を出ているのです。優の数だって40個あったし、銀行業務検定法務3級だって持ってる。(←自慢になるか?)  


屈折十余年の勉強ののち司法試験に合格し、現在、民事の敏腕弁護士として活躍するS氏と、かたやエリート便利屋。さぞ法律論争で盛り上がると思いきや。飲み屋の場面を再現してみると…


弁護士先生「弁護士は体力的にきついから、あと何年かしたら引退して、そのあと純文学をやろうと思ってるんだよ」

便利士「でも先生。純文学といっても、最近の芥川賞作家は変人ばっかりですよ。先生のような普通の…」

 普通の、と言おうとして、そこに倉本聡的な「間」が、数秒…。  


そうだったぁぁぁぁぁ~。その先生は極め付きの変人だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!!  

具体的にどう、という形で書くと本人が特定されてしまうので、差し控えさせていただきますが、五十代半ばで顔は少年のような童顔。いつもほっぺがりんごのように赤くて、私がチャチャを入れると、「何、言ってんだようぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~」と、真っ赤な顔を一層赤くして必死に抗議する。しかも、人のことは言えないけれど、独身。  


そういえば弁護士って、ミステリーの分野で活躍している人って結構いますよね。


便利士「是非、書かれたらいかがですか?先生みたいな変人、いや、個性的な人格をお持ちの方ならきっと芥川賞をとれますよ」

弁護士先生「いや、そう簡単に賞はとれないよ。最初は書評からやっていこうと思うんだ。○○さん(←オイラ)、去年本を出版したよね。なかなか面白かったけど、ほかに書いた原稿ない?」

便利士「趣味で書いたどーしょーもないミステリーならいくつかありますけど」

弁護士先生「じゃ、それを見せてよ。その書評から文筆活動を開始するから…」


   倉本聡的な「間」


ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~、そ、それだけはお許しください、お代官様、弁護士先生様。お慈悲を、お慈悲を~!!  


それにしても、何年かあと、弁護士出身の芥川賞作家が誕生します!する予定です。皆さん、是非、御期待ください。