ビジネス便利屋のここだけの話 -7ページ目

今度こそ、面白かった直木賞受賞作ベスト5

 昨日は、鳩をいじめてカラスに怒られるというくだらないお話を公共のブログを使って書いてしまい、大変ご迷惑をおかけいたしました。


 さて今日は、「面白かった直木賞受賞作ベスト5」をお送りする約束でしたね。おもに昭和54年以降の作品で、もちろん便利屋さんが読んだ作品。ですから、私が読んでない作品は入っていませんのであしからず。でも、受賞時脚光を浴びた作品は大体読んでいると思いますよ。  


 さて、いつもながらの長くて内容のない前ふりのあとお送りする、「便利屋さんが選んだ、完全自己チューの面白かった直木賞受賞作」は、以下の通り決定いたしました。


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダタ…… ←タイコ?の音


● 第五位 「緋い記憶」 高橋克彦著  


…これを読んだのは、いったい何年前だろう。少なくとも十年はたっていると思う。今回ここに書評を書くにあたって、再度読み返していないので、正直ほとんどストーリーは記憶に残っていません。でも、この本を読み終わった後の鳥肌がたつような恐怖というのだけは今でも残っていますね。「記憶」というテーマで書かれたホラーミステリーの短編集で、表題作の「緋い記憶」は、自分の子供の頃のまだ今ほど裕福でなかった時代のノスタルジーを感じさせます。確か、覚えている内容は、古本屋で見つけた生まれ故郷の古い住宅地図には、あの少女の家だけが、なぜか記されていなかった。主人公は、自分の記憶を元にふるさとを訪ね、自分の驚くべき過去を思い出す。きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~、最後のどんでん返しが怖いよ~!!!


● 第五位 「ナポレオン狂」 阿刀田高著   


…これも上記の「緋い記憶」と同様、ミステリーホラーの短編集です。上記の作品に比べ、ホラーの要素よりも本格推理に若干ウェートが置かれている点が違うかもしれません。論理的結末があったほうが好きという便利屋さんの好みにあっているだけで、どちらがすぐれているということはないと思います。表題作、「ナポレオン狂」は、それほどでもありませんが、このなかの短編ミステリー「来訪者」は、文句ない傑作です。淡々と書かれていて、何だ大したことないじゃんと思って読んでいると、最後の一行のどんでん返し、それが怖い、怖い。それまでの流れが比較的平坦で、日常よくあることの繰り返しなので、最後の究極の非日常があまりにも鮮烈。便利屋さんにミステリーを書きたいという気持ちにさせる記念碑的な作品でもありました。


● 第四位 「4TEEN」 石田衣良著   


…御存知、「池袋ウエストゲートパーク」で有名なベストセラー作家ですね。はじめてそれを読んだとき、おもしろい文体だなぁという感想を持ちました。ちょっと既存の作家と違う対象のの見方というか、捉え方というか。あとで聞いたらこの人は、コピーライター出身だそうですね。コピーライターは文章で持って、商品の魅力をさまざまな角度からアピールする。だからこの人の書く人間や場所はすごく魅力的なのですよ。でも、ミステリーを書いてしまうと、トリックやプロットの稚拙さが前面に出て物足りないと思っていた。この作品は、ミステリーじゃなく、14歳の少年たちの友情や成長をすごく生き生きと描いている。佃島や月島などの情景描写も秀逸ですな。石田衣良のいいところだけ全部でてるから、受賞しますよね。


● 第三位 「女たちのジハード」 篠田節子著  


…最初、タイトルを見たときは、テレビドラマの「ショムニ」のようなスーパーウーマンが出てきて、男たちをやっつける、痛快だけどあまり内容のない物語じゃないかなと思った。だけど、取り上げるテーマ、登場人物の性格、ストーリー展開、どれをとっても面白い、面白い。はじめて篠田節子を読んだのがこの作品だったけど、すっかりこの人のファンになってしまいましたよ。「女たちのジハード」が直木賞を受賞しなければ、一生便利屋さんはこの人の作品を読まなかったと思う。どの作品も面白かったけど、その中では「絹の変容」が特にお勧め。この作品ですが、不動産の知識、とくに共同入札の実例なんかがリアリティあふれていて、元銀行員の便利屋さんでもうーん、よく調べているとうなりましたよ。


● 第二位 「恋」 小池真理子著  


…正直、この作品も読んだのが十年近く前で、内容はうろ覚えの状態。だけど、読後は、数時間も放心状態になったという記憶がある。やっぱり登場人物が、ちょっと異常なんだけど、全然違和感なくリアリティにあふれ、生き生きとして魅力があるんですよね。上流階級の人たちとも、仕事で接点がありますが、ここに出てくる大学教授夫妻のようなすごい善人なんだけど、一般社会から見ればホントかけはなれているライフスタイルを持つ人って結構いますよ。そのへんの書き方ってうまいですね。そういう変人と凡人たる一般人との悲しくせつないラブストーリー。この作品は、映画化、ドラマ化されていないんでしたっけ。たとえあったといしても、この異常で美しい世界は、完全に映像化できないかもしれませんね。第一役者がいないでしょう。知的で、異常で、根っからの善人で、かつ純粋な人なんて。


 ● 第一位 「カディスの赤い星」 逢坂剛著  

…迷いに迷ってこの作品を一位にしました。おそらく、直木賞受賞作全体の中で、いろんな人に投票してもらったとしても、この作品を一位にする人はいないのではないでしょうか。正直、この作品を読んだあと、この作者の他の作品を読んで多少失望を覚えている便利屋さんとしては、激しい葛藤があったことも事実です。でも、それを割り引いても、この作品は好きだなぁ。とくに前半。従業員3名の小さな広告代理店を切り盛りしていて、自宅部分と仕事部分がごっちゃになっているなどのリアリティー。広告業界における下請け零細企業の悲哀と広告の仕事の細部の表現なんか、すごく面白くて勉強になった。自分の会社も創業してすぐで苦労していた時期だったから、それと重ね合わせて読めたのかもしれない。後半のスペインは、がらっと感じが変わりますが、その展開も鮮やかで冒険小説を読んでいるような気分になります。トリックや意外な犯人もあって、ミステリーとしても水準に達している。何より、主人公の恋人のヒロインがとても魅力的に描かれていますね。最後、ストーリーが、思わぬ結末にむかって読者としては悲しいのですが、それも作品の質を高める要因になっているのかもしれません。

面白かった直木賞受賞作ベスト5?

昨日はまた、都内のお取引先をぐるぐるまわって一日を過ごしました。ちょっと気合が入って半袖にネクタイで出かけたら、けっこう寒かった。誰も半袖で歩いている人間なんかいない。ますます人様に、「変わった人」という印象を焼きつけてしまったみたい。「若い」という好意的な印象ならいいのだけれど、そうではないような…。


 それはともかく、夕方頃になってちょっと小腹がすいたので、コンビニでスナック菓子を買いました。何を買ったかというと、「暴君ハバネロ」。知る人ぞ知る激辛スナックです。まだ一度も食べたことがなかったので、一度話のタネに食べてみることにしました。公園のベンチに腰掛け、一口それを食べたら…


 カレェェェェェェェェェェェェ~!!!!??? 

 さすがに辛い。でも食べるのを止めようという気にはならない。胃に悪いだろうな、と思いつつ、袋の半分まで一気に食べたころ、公園にはお決まりの動物、鳩が近づいてきました。ひひひ、鳩め、激辛スナックは食べられるのかな、と素朴な疑問を抱きつつ、鳩の目の前にスナックを投げました。


 当然、喜び勇んで鳩が数羽近づいてきます。鳩がそれをついばんだ。


 ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~、誰か助けてくださぁぁぁぁぁぁぁ~い!!

 鳩がそんなことをさけぶわけはないのですが、鳩が豆鉄砲を食らったような顔とはまさに言い得て妙。涙目で逃げてゆく鳩を、


 オラァ、食わんかい。おんどりゃぁ、俺の暴君ハバネロが食えねぇて言うのかよ!!

と、追い掛け回しました。


 「蛎殻町公園の中心で辛いとさけぶ」(←ちょっとネタが古い)鳩たちを救ったのは、意外にも彼らの天敵と言われるカラスでした。


 鳩を追い掛け回す私の前に舞い降りたカラスは、


 弱い者いじめをする悪党め、許さん!!!!、とまきちらされた暴君ハバネロを猛然と食べ始めたのです。あの激辛スナックを顔色一つ変えず…。


 すごい。カラスの恐ろしさを身をもって感じましたよ。食べ終わると、もっとよこせと獰猛な目で近づいてきます。


 ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~、誰か助けてくださぁぁぁぁぁぁ~い!!

 と、逃げました。


 昨日得た教訓。やっぱり、鳩やカラスに餌をやるのはやめましょう。



 それはそうと、今日は、今までに読んだ直木賞受賞作の中で、便利屋さんが選んだ、「完全自己チューの面白かったベスト5」を書く予定だったのに。また、余計なことを長く書きすぎてしまった。 スターものまね王座決定戦の亡淡谷先生みたいに、


「何ぶざけてるの、ちゃんとまじめにやりなさい!!」

 と怒られそう。そうは言っても、これから本題を書くのはつらいなぁ。昨日の夜、選考がもうすんでいるんですけどね。


 直木賞受賞作は、芥川賞受賞作と違い、一般人にとって、


 なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~

 という作品がほとんどないほど読みやすく、面白い作品が多いです。そりゃそうですよね。大衆文学に与えられる賞だから当然と言えば当然ですけど。


 便利屋さんは、昭和54年の「ナポレオン狂」以降から現在までの受賞作のほぼ半分ぐらい読んでいるでしょうか。芥川賞は、直木賞受賞作ほどたくさん読んでいませんが、自分の中で一番面白かった作品、二番目、三番目、とすぐ出てくる。ところが、直木賞は、どれも面白さでは粒ぞろい。司馬遼太郎は、大好きな作家の一人なんだけど、直木賞受賞作に限って言えばそうでもないというように、ベスト5を選ぶには結構骨が折れました。


 今、ベスト5に選んだ作品も、明日になれば変わっているかもしれません。自分としては、今の世相が読み解けるリアリティーあふれる作品で、少しミステリーっぽい味付けがなされていて、ノスタルジーのような感動が得られる作品が好きです。


 ということで、今日は大層なタイトルをつけたわりに本題に入れなくてすいません。ひらに御容赦を。明日は絶対書きます。

連休中読んだ小説、「臨場」「介護入門」「硝子のハンマー」の書評

長い飛び石連休も終わり、今日からまた長い仕事ロードの始まりですね。仕事と休みのごった煮状態の便利屋さん。昨日は、仕事で原宿まで行き、帰りに渋谷へ出たら、またまたアンケートのおばさんにつかまってしまいました。3時近くになっているのに、昼食がまだですきっ腹をかかえながらアンケートに答えましたよ。苦労したあと、図書券をもらえる瞬間が至福のひと時です。 


もらった図書券で何を買おう。本を読むのが子供の頃からの趣味のひとつで、自慢じゃないですが結構読んでます。この3年間、私がどんな本を読んできたか知りたい方は、こちら をどうぞ。(ビジネス便利屋図書館のカテゴリーの「便利屋さんはこんな本を読んできた」をご覧ください。読んだ本の完全自己チューの五つ星評価もあります)  


さて、私がこの連休中に読んだ本は3冊でした。まず、横山秀夫著「臨場」。やっぱり、うまいな~。短編という限られたページ数で、きっちり起承転結をつけ、しかもホロリとさせる部分もある。無駄がないリアリティー。カッチリし過ぎて、遊びがない部分が窮屈だという人もあるけれど、それもこの作家の大きな個性だと思う。遊びがない分、毎回、アイデア勝負となる。そのアイデアが、それぞれ秀逸で、よく同じ人の頭からこんなにアイデアが出てくるなと感心しますよ。ちょっとほめすぎかな~。  


横山秀夫というと、直木賞と決裂した反骨の作家というイメージがある。「半落ち」という作品のなかの一部の解釈の違いをめぐって、直木賞選考委員とすったもんだがあったんでしたよね。「半落ち」は、かなり前に読んだので、ちょっとうろ覚えの部分もあるけれど、プロットが緻密で、構成に新しい趣向をもちいた意欲作だったという記憶があります。  


しかし正直、ちょっと違和感もあった。それは、犯人の動機。ミステリーの書評なので、細かくは書けないけれど、ちょっと作り物めいた部分もあり、心から共感できない気もした。しかし、文体、プロット、構成の斬新さは十分直木賞の水準に到達していると思いましたよ。いずれにせよ、選考委員が指摘とした部分は、ちょっと難癖じみてますな。過去の受賞作、原寮の「私が殺した少女」だって、動機はこれよりもっと問題だったと思うけど、その他の部分の秀逸さで受賞しましたもんね。  


作家にとって、直木賞は取らないよりはとったほうがもちろんいい。あのときだんまりを決め込めば、その後、これだけ水準以上の作品を出しているのだから、いずれ間違いなく受賞したでしょう。(「臨場」は、候補作になっても誰も文句は言わない作品だと思うし)だから多くの作家が、だんまりを決め込む。処世術としてはもっともいい方法だと思うし、自分もおそらくこの手の行動をとると思うけど、それをわかっていて払いのけちゃう不器用なところが人間的な魅力に見える。「ばかだな~」と思いつつ、心の中であこがれみたいなものがあるんですな。それにしても、身を削って書いているような緊張感が、作品の中にあり過ぎ。  


横山秀夫氏。結構、病気を抱えているそうですが、ホント、体だけは大事にしてくださいよ。  


次に、モブノリオ著、芥川賞受賞作「介護入門」。これは、わかんな~い。やはり自分には、純文学はわからないのだろうか。綿矢りさや金原ひとみの受賞作はそれなりに楽しめたのに…。  


何年かに一回。芥川賞選考委員は、普通の人には読めない作品を受賞作に選定する。一般の人間は、純文学という高尚なものに気軽に触れてはならぬというアンチテーゼなのだろうか。どうしてこんなにセンテンスが長いの? ボキャブラリーの豊富さは驚異的だけど、どうしてそれが有機的に結合していないの? 文芸春秋はお金がないわけじゃないのに、どうして余白を多くして読みやすくしてくれないの?


 町田康の「きれぎれ」もこうだった。←だじゃれ?(違います)こういう作品は、どういうふうに読めばいいのだろう。頭を金髪に染めたロックミュージシャンが80歳をこえる祖母の介護を行うというシチュエーションはとても面白いんだけど。こういう文章は、文章を理解しようと努めるのではなく、ロックを聴くように、体全体で文章のリズムを感じ、それと一体となることによって陶酔感を味わうように読んだらいいのかな。  


誰か教えてくれ~!! 時代について行きたいよう~、 最先端の純文学がわかるナウい人と呼ばれ、尊敬されたいよう~ (※下線部おやじ表現)


さて、最後は貴志祐介著、「硝子のハンマー」。うん、これはわかる。あの名作「黒い家」を書いた著者の本格ミステリーですから。面白かったですよ。  


途中まで、すごく面白かった。やはりミステリーなので、あらすじを細かく書けないんだけど、企業のセキュリティーがすごく細かく書き込まれていてリアリティーがある。本格モノって、トリックや謎に力を入れ、そこから物語を作っていくことが多いから、どうしても現実にはありえないようなシチュエーションになる場合が多い。まあ、それはそれでおとぎの世界の話として考え、素直に謎解きを考えられるから好きなんですが。


  途中まで読んでいて、これはまぎれもなく★四つの評価だなと思った。ただ最後の種明かしのところでちょっと作者の辻褄あわせのような苦しさも感じられて、惜しい~と★半分のマイナスと自己チュー評価させていただきました。でも、相当セキュリティーには細かく触れていて、その方面の知識を得られるだけでもこの本は「買い」ですな。ちなみに作者の出世作、「黒い家」は厳しく評価しても、四つ★評価以上なのは間違いありません。  


作品の作り方として、まず今まで考えられてこなかった密室殺人事件を作ろうとして、次にその方法論をいろいろ考え、それに対するシチュエーションや道具立てを組み込んで行ったのかもしれませんね。しかし、ちょっと不自然な道具が中にあったと思う。それにこれだけの長編にしては、トリックがちょっと小粒で、謎もそれほど読者をひきつけるにしては弱かったのかもしれない。もっとも短編のトリックで、ここまで面白く引っ張るんだから、作者の筆力はすごいと思えますね。  


でも少し惜しいなぁ。もっと伏線をはって、謎が錯綜してどうしようもないぐらい事件がごちゃごちゃになって、最後意外な犯人が論理的に割り出される形になるとすごいんだけどなぁ。  短編ミステリーを趣味で書いている自称素人ミステリー作家としてはそう思うわけですよ。そんなにえらそうなことを言うなら、お前の書いた「すごいミステリー」を見せてみろ、ですって?  


ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~、そ、それだけはお許しください、お代官様。もう、えらそうなことは申しません。自分に書けない卑しい嫉妬心から、このようなことを申しただけでございます。お慈悲を、お慈悲を~!!

お客さまを森山周一郎状態にしよう(法人開拓編)

昨日は一般家庭を訪問する場合について書きました。今日は、会社を訪問し、社長さんと初対面で挨拶する場合を考えてみましょう。 


飛び込み訪問だと、最初から話を聞いてもらえないケースがほとんどなので、この場合、前任者からの引継ぎなど既取引先の深耕訪問というケースにしましょうか。まったくの新規法人顧客の開拓は、いづれ触れたいと思います。  


さて、会社の社長室に通されると、まず名刺交換から始まります。そして、「さあ、どうぞ」と、応接セットに案内されるでしょう。応接セットがない場合を除いて、十中八九、ここまでの流れはどこの会社も同じです。さて、腰を下ろして、どんな話題をいたしましょうか。  


経験上、社長さんと真向かいで腰をおろした状態で、社長さんのほうから口火を切ることはほとんどありませんでした。社長さんのほうから口火を切るのは、逆に社長さんから自分のところの商品を売り込まれるケース。営業する側が、口火を切るのが普通です。  


そうですよね。社長さんとしては皆、営業マンを前にして、どんなふうに売り込まれるだろうと身構えている。先に口火を切って、自分の手の内を明らかにしたくない。まずお手並み拝見とやるわけです。こんな状態で、不用意に真正面から営業の話から入ると、「そら来た」と、大手門を閉ざし、難攻不落のろう城戦略をとる。

 

こんなことしたら、城に入る前に、弓矢の抵抗にあってこちらは全滅しちゃいますよ。こちらとしては、まず大手門全開の状態のまま城の中へ入らなきゃなりません。

  

そこで、社長さんにも森山周一郎状態になってもらう必要があるのです。そのためには、社長さんが何に興味をもっているか、何を話したら気持ちがよくなるかについて知る必要があるんでしたね。  


会社の社長室にも、一般家庭と同じように会話のヒントとなるグッズがたくさん隠されています。隠されていると書きましたが、社長さん個人としては隠すつもりなんて全然ないんです。話題にしたくて、せっかく人の目に付くところに置いているのに、誰もその話題にふれてくれない。ちょっと欲求不満状態。  


だから、会話の最初にそれに触れてあげると大喜びです。大手門を閉ざそうと待ち構えているところへ、同盟国の援軍が駆けつけたような感じかもしれません。  


さて、その会話のヒントとなるグッズですが、本当にさまざまでした。まずよくあるのが、表彰状やトロフィーの類です。これは、社長さんの趣味のものなら、話題にすると大抵大喜びで話してくれます。だって、他の人に自慢したくて社長室に飾ってあるのですから。そのとき、たとえば釣り大会のトロフィーだったら、「自分もたまに釣り大会に参加するのですが、いつもブービー賞で、優勝の秘訣を教えていただけますか」、なんて話を持っていけば、机の中からドラえもんのポケットみたいにルアーとか、釣り糸とか出して説明してくれます。  


ゴルフの賞状は定番ですが、定番過ぎてもあまり会話が弾みません。ゴルフをやる人は大勢いるから、誰もがその話題に持って行きたがるんですな。むしろ、カルト的な趣味を持っている社長さんだったら、誰も相手にしてもらえないので、私も興味がありますなんて言ったら、その瞬間、社長さんと仲間になれるかもしれませんよ。  


ただ同じ賞状でも、仕事関連だと要注意です。不用意にほめると、「あの賞状は、先代社長時代のもので、今は没落貴族みたいなもんですよ」と、そのまま大手門を閉められてしまう危険性もあります。  


ほかには「社訓」なんてのもありました。社長さんがすごく頭をしぼって苦労して作ったのに、誰もそれを話題にしてくれない。一つひとつ、教えを乞いながら説明してもらいましたよ。苦労を積み重ねて会社を大きくしたエッセンスがつまった名言なのに、やってくる営業マン皆それを無視して、自分の売りたい商品の話だけする。もったいない話です。  


それから、アメフトのヘルメットが社長室に飾ってあったり、鉄道模型、ミステリー全集、ボトルシップ、昆虫標本など、気をつけてみると社長室には社長さんの個性や興味の方向性がわかるものがたくさんあります。それがわかったら、思う存分、話をしてもらうといいと思います。すると今までとは違った社長さんの顔を発見するのではないでしょうか。  


そして聞くときは、営業マンであることは忘れ、同じ趣味や興味をもつ後輩として、師匠に教えを乞う形で話に耳を傾けるといいと思います。  


慌てる乞食はもらいがすくない。急がば回れ。昔の人は、いいこと言うなぁ。

お客さまを森山周一郎状態にしよう2

とうとうゴールデンウィークが終わっちゃいましたね。しかし、この疲れ方はなんだったのだろう。全然休んだという気がしない。

 

城の空堀に落ちたり、崖をよじ登ったりして、トータル20キロも歩いた日がありましたから。自営業だから、完全休養という形は取れなくて、仕事の合間に寝転がって二時間ぐらい本を読んだのが休みという日もありました。でもこれも仕方がない。自分が選んだ道…。  


自営業者にとって、最大の贅沢が休日でも仕事があることと言った同業者がいましたが、ホントその通りだと思います。あれば休めないとブーブー言うくせに、ないと真っ青になって夜も眠れなくなる。人間は悲しい生きものですな。はたして、便利屋さんに安息の日はやってくるのか、なんて。  


さて、それはともかく昨日の続きを書かねばなりませんね。確か、新規のお客さんを開拓する方法について書いていた記憶がある。  


それは、お客さんが、何について話すと一番うれしいかを探り、そしていかにお客さんに森山周一郎状態になってもらうかということ、でしたね。そして森山周一郎状態とは、自分の言いたいことだけ思う存分しゃべるという状態、と私は勝手に定義させていただきました。  

すると今日はその実践論からですね。  


そのために、お客さんの話したいことをどうやって初対面の段階で発見するか、というふうに問題を明確にしたいと思います。それさえ見つけられれば、お客さんがどんどん話をしてくれるわけだし、こちらとしては話の腰を折らないように気をつけるだけでいい。自分の売りたい商品とまったく関係ない話であってもいいんです。  


モノを売る前に自分を売れとは、まさに名言で、人間誰しも嫌いな営業マンから商品を買いたくない。まずお客さまから好かれなければならない。そのためには、何度も言いますが、営業マンは、自分の今抱えている問題点に共鳴してくれる人であって、なおかつそのためによく話を聞いてくれる人がベターなわけです。  


しかし、いきなり初対面の営業マンに自分の今抱えている問題点を話してくれるお客さんはほとんどいません。営業マンは、その大きな心理的障壁を越えようと躍起になってしゃべりまくるわけです。そしてどんどんドツポにはまってゆく。


 具体的に、まず一般家庭を訪問する場合を考えてみましょう。運良く、ドアを開けてくれたお客さんがいると、名刺とパンフレットを渡し、社名を名乗り、お客さんが口を開く前に商品の説明をまくし立てる営業マンが結構多い。  


優秀な営業マンのやり方を見ていると、倉本聡脚本のドラマじゃないですけど、間の取り方が実にうまいんです。そしてすぐにパンフレットなんか出さない。そしてお客さんが自分で話をしたい気分にもっていく。  お客さんが今、何に興味をもっているか、何を話したら気持ちがよくなるか、それとなくわかるアンテナが、優秀な営業マンは発達しているんですな。  

別に超能力があるわけではなく、一歩下がって家のまわり、玄関のなかを注意してみれば、そのヒントはいくらでも見つけられるのです。  たとえば、玄関の下駄箱の上に置いてあるドライフラワー、手芸、素人が作ったと思われる陶器、玄関前に置かれている鉢植えの草花など。なんで、この場所に置いてあるのでしょうか。お客さんが、自分で作った作品を話題にしてもらいたくて、あるいはほめてもらいたくて置いてあるのではないでしょうか。  


優秀な営業マンは、それを一言でお世辞と見破られるやり方ではほめません。器を玄関のところで見つけたら、

 「あっ、これは、○○焼きですね。実は私も先日、真似事でやらしてもらったんですけれど、これほどいい色は玄人でもなかなか難しいと聞きましたよ。失礼ですが、有名な陶芸家の方ですか?」  

なんてやるわけです。たとえ、あまり陶芸に詳しくなくても、その場面では心の底から感嘆し、陶芸のファンになってしまうんです。


 「こんなすごい器を拝見したのでは、今日はもう仕事はできません。これで終わりにします。もし差し支えなければ、陶芸のことについてもう少し詳しく教えていただけませんか?」  

そういうふうに言われたお客さんはうれしいでしょうね。もしかしたら、家の中まで入れてくれて自分の作品を説明してくれるかもしれません。それで親しくなったら、できればその日は、それで営業せずに帰ることが望ましいです。何回か、そうやって通ううちにお客さんのほうが心配してくれる。


 「あんた、いつも油売ってて大丈夫なの?なんか、できることない?」

 いわゆる専門用語で言う「農耕型」の営業ですな。丹精込めて育て、畑から毎年、作物が取れる。いつも一定の収穫があるからあせらずじっくり生活できる。これに対して、「狩猟型」の営業は、お客さんを根絶やしにしてしまう。だから、いつも追い立てられ、落ち着く暇がない。「農耕型」の営業のデメリットは、畑を開墾し、種を植え。肥料をやり、除草したりして作物が取れるまで時間がかかることです。でも一度いいサイクルができてしまえば、お客さんと仲のいいパートナーともなれる。私としてはこちらのほうがお勧めです。  


お客さんの家や玄関周り以外にも、いろいろな「お客さんが話をしたいタネ」が気をつければ見つけられます。お客さんは森山周一郎状態で、嬉々として話してくれるし、こちらも弟子だと考えれば世界が広がるし、知識も増える。もちろん営業成績も長期的にアップする。いいことが多いです。  


さぁ、みなさん。お客さまを森山周一郎にいたしましょう!!  

次回は、森山周一郎バージョン、法人新規開拓編をお贈りします、なんちゃって。

お客さまを森山周一郎状態にしよう

疲れた~、昨日は。もう今日は完全に、だる~ビッシュ・憂、状態。昨日は一日休みが取れたので、またまたウォーキングへ行ったのですよ。八王子駅から、繁華街、住宅街を抜け、多摩川を越え、昭島駅と向かう全長15キロのコースです。
 
途中、郷土博物館や創価大学の壮大なビル群、つつじの咲き乱れる庭園に見とれて寄り道したので、確実に数キロは余分に歩いた気がします。それにしても創価大学の本部はすごい。高層ビルだし、丘の上にあるから近くによっても遠くから見ても壮観です。

 大学の本部ビルとしては日本一なのじゃないかな

そして昨日のウォーキングのメインディッシュである滝山城跡へ。

ここは後北条氏の関東経営の要衝をなしていた城だそうです。姫路城や大阪城みたいに石垣や天守閣といった建築物はないのですが、土塁や空堀、曲輪などに当時の面影をよくとどめている。武田信玄に攻められても耐えた堅城で、眼下に多摩川を見下ろす絶景からも、中世戦国期の丘山城として全国屈指の存在だとわかります。

しかし、空堀に降りてウロチョロ歩き回っていたら、完全に道に迷ってしまった。さすが、北条流築城術の巧みな縄張り。最初は感心していたのですが、どこも同じような景色で、やっと、頭上に人の気配を感じて、切り立った崖を木の根っ子や生い茂る草をつかんで這い上がり、ようやくシャバの空気を吸うことが出来ました。20分以上さ迷い歩いていたのかな。

手のひらに傷はできるし、膝小僧を擦りむくし、最悪でしたが、城攻めの大変さがよくわかりましたよ。

 それにしても結構ウォーキングでは大変な思いをしてる…。今年の正月なんか、この数倍もすごい体験をしました。それは…。

 おっとイカン。また話がそれちゃう。今日はビジネスのことを書くんだった。

 さて今日の本題。

 YAHOOニュースを見ていたら、プロ野球のゲストに来ていた森山周一郎氏が不謹慎な発言や「しゃべりすぎ」ということで、NHKに240件も抗議が寄せられたそうです。

 確かにうるさかった…。 

 途中から見たのですが、しかしよく喋る解説者だなというのが第一印象です。森山っていう野球解説者、いたかな? 昔、西武に投手がいたけど、それにしては少し声が年寄りじみてるし、なんて思いながら見ていると、ホントしゃべるしゃべる。解説の小早川氏が話す前に、プレイの解説をしちゃってる。アナウンサーが話す前に口をはさみ、司会の役までこなしている。最初は面白がって見ていましたが、さすがに見るに耐えなくなってチャンネルを変えました。

 でも、自分が営業担当者なら、お客さんがああいうシチュエーションになるとラッキー!と思うだろうな。人間、自分の言いたいことだけ思う存分しゃべるというのは一番気持ちのいいことですからね。

 だから自分が勝手に話すことを、嫌な顔をするどころか、目を輝かせて喜んで聞いてくれる人にはすごく感謝するんじゃないでしょうか。これを営業に応用しない手はありません。お客さんが喜んでくれて、自分も最終的にはモノを買ってもらってうれしい思いをする。いいことづくめです。

 そのためにはまず、お客さんが何について話すと一番うれしいかを探ること。

 新規で顧客を開拓する場合、たとえば飛び込み訪問なんかだと、お客さんと話が出来る時間はほんの数十秒、数秒という例も珍しくありません。それより、話だってできないよという人も大勢いるかもしれませんが、それはまた別の機会にお話しますので、この場合置いときましょう。ここでは、お客さんと数秒話ができる場合です。

 数秒、話ができるチャンスがめぐってくると、営業マンは、ここが勝負どころとパンフレットを取り出して、一気果敢に自分の売る商品のメリットをまくしたてる人が結構多いんです。大抵、断られ、出入り禁止になってしまう。


 大事なのは、いかにお客さんに森山周一郎状態になってもらうかということ。


 すいません。ウォーキングの話が長すぎました。もう昼食の時間なので、この続きは次回にさせてください。

ブライアントな午後

昨日は花粉症の禁断症状が現れ、久しぶりに地獄の苦しみを味わいました。今日はおかげさまで少し持ち直したみたいです。 


昨日の夜、完全重装備をして寝ましたからね。部屋中に「花粉ガード」をまんべんなく撒き散らし、とくに布団のシーツの上には念入りに。そして、超立体マスクをし、耳にはイヤーウイスパー、あとは手ぬぐいで目隠しです。顔にある穴はすべて塞ぎ、五感のうちの視覚、聴覚、臭覚をシャットアウト。さしもの花粉も、入り込む余地がなくて退散したみたい。  


こんな格好では眠れないんじゃないかと言う人もあるかもしれませんが、ところがどっこい、これがよく眠れる。不眠というのは、心配事があるなど精神的ストレスが影響する場合が多いと思うのですが、それ以外の要因も結構あるような気がします。  


たとえば、暴走族の音がうるさいとか、部屋に朝日が当たりまぶしくて目が覚めるとか、部屋の臭いが気になるとか。横になっている間は、自分がなんで眠れないのかわからずあれこれ考えているうちに、いろいろそのほかの不安が広がってきて結局ストレスからくる不眠症になってしまうケースもあるんじゃないでしょうか。  


そのような方は、とりあえず上記の方法を試されることをお勧めします。自分を外界と遮断する形で寝ると、なんていうか「無の世界」、わかりやすく言うと、「あの世」で熟睡しているような気分になれるのですよ。


 音もなく、臭いも感じない、漆黒の闇の世界…。そのなかでは、体という物質すら存在しない。あるのは、開放された魂のみ。朝になり目が覚めると、昨日とは違う、生まれ変わった自分をあなたは発見するでしょう。  


でもなぁ。この睡眠法は防災上大きな問題点もある。さすがに地震のときはわかりましたけど、近所で火事があったとき、朝までまったく気がつきませんでした。消防車が何台も来たそうだけど…。志ん生の落語じゃないけど、自分の着物に火がついても面倒くさいから消さずに焼け死んでしまった怠け者がいたそうな。まわりが火の海なのに、一足先にあの世へ行った気分を楽しでいるなんて落語にもならない。


 焼死体で発見されたとき、耳栓に目隠し、猿ぐつわ代わりのマスク、それにもし後ろ手に縛られてでもしていたらやはり変死体として扱われるのだろうか。なぜ彼は、自宅内で監禁されていたのか。もしかしたら、彼は緊縛愛好者だったのか、なんて。  


しかし…。  

また本題に入る前につまらないことを書いてしまった。今日は今朝読んで感動した本の書評を書こうと思ったのに。  


「安定した銀行員生活から独立開業して、はや十五年。会社を辞めて生きてゆくコツを、心構え、顧客開拓、副業、倹約、自己啓発といったさまざまな切り口から日記形式で綴ります。肩に力を入れないで、気軽に続けたいと思います。」  

なんて、ブログを始めた当初は、すごく高尚な目標を立てていた。だんだんずれてきたというより、本性が現れてきたという気がする。まだ一ヶ月もたっていないのに…。  


という反省の気持ち半分、しかし、気持ちはこれから出かけるユニクロでどんなパンツを買おうかというところへ行っている自分に嫌気がさす今日この頃。  


よし、次回はちゃんと書くぞ!!

花粉で儲ける

昨日、「スーツでハイキング」のブログを書いたあと考えてみたのですが、これからSOHOなど自宅で仕事をする人が増えてくると思うんですよ。 

 

自宅で仕事をしている分にはスーツなんか着る必要がない。自宅にいると、掃除や洗濯、買い物などの家事を合間にはさみながら仕事することになるので、動きやすく機能的な服装でなければ非効率です。しかしだからと言って、仕事というものはすべて自宅だけで完結できるものではない。突発的に会社に顔を出さなければならないケース、買い物の途中で得意先からクレームが入りすぐ訪問して対応しなければならないケース、従来の慣習から言ってスーツを着なければ仕事にならない部分は結構ある。  


最近、ビジネスシューズにウォーキングシューズの機能を兼ね備えた商品がヒットしているそうですね。ビジネスとウォーキングのコラボレーション。たくさん歩けば数多くの顧客とコミュニケーションが図れ、なおかつ健康になる。一石二鳥の効果を狙って買い求めるビジネスマンも多く、多くの靴メーカーが新商品を開発して参入していると聞きました。


 さて、スーツの分野でも機能的スーツは数多く商品化されています。しかしまだ、家事兼用スーツは開発されていない。昨日私が指摘したハイキング兼用スーツだってまだない。自転車通勤をしているサラリーマンは結構多いと聞きます。それなのにサイクリング兼用スーツもありません。中高年の健康志向から登山やトレッキングがブームなのに、登山兼用スーツ、トレッキング兼用スーツだってないのですよ。そして21世紀は宇宙開発時代です。国際宇宙ステーションの宇宙飛行士だって、各国から派遣された大使としての役割も必要です。それなのにフォーマルな場に出て行くための宇宙服兼用スーツがありません…。  


 いつまで書かせるんじゃ~、誰かツッコミ入れてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!!  

すいません。つい調子にのって悪ふざけしてしまいました。言い訳をするわけじゃないのですが、おとついハイキングへ行ってからすごく体の調子が悪いのです。  


原因は花粉症…。  


飛散の時期はもう完全に過ぎているらしいのですが、郊外はまだ花粉が多く飛び交っているようですね。おとついきのうと結構風も強かったし。  


今年大活躍した花粉症の薬も全部飲みきってしまい、いまさら薬を買いに行く気もせず、ひたすらティッシュ片手に涙目でブログを書いています。  でも今年は、花粉さまのおかげでお金をもらうこともできました。花粉症の治験に参加して、約10万円ゲットしたのですよ。花粉症の症状が出るまでほかの薬は飲めず、おかげで風邪をひいてもただひたすら自然回復を待つという苦しい思いはしましたが、お金をもらったらそれも吹っ飛んでしまいました。  


今まで十数年間、毎年苦しめられてきた花粉症に一矢報いたという感じです。  


治験が終わってから、さてまた例年通り耳鼻咽喉科へ行こうかなと思ったのですが、どの医院も花粉症患者様ご一行で大賑わい。途中から参戦するのもはばかられ、今年は市販の薬で対処することにしました。


 最近はいい花粉症グッズがたくさんでていますね。まず超立体マスク。在庫が空っぽになるくらいヒットしたそうですが、確かに呼吸が楽。私なんか、毎晩マスクしたまま寝ていました。花粉ガードは、衣類に付着した花粉がはじけないようにするらしいのですが、確かに効いたような気がする。(←ちょっと比較する資料がないので確かなことはわかりませんが…)  


市販の薬も結構効きますね。マツキヨの特売セールで買った、ストナリニ。1日1錠でいいのと、24錠入って千円以内で買えるという魅力にひかれて購入しました。確かに仰るとおりで、これを飲むと一日中くしゃみや鼻水から開放されました。この値段でこんなに効いたら耳鼻科が廃業するよ、というくらいよく効く。ただひとつ問題なのは、眠くなること。しかも朝飲むと決まって昼食後の30分眠くなる。その眠さたるやもう壮絶で、歩きながら眠るという芸当もできるぐらいです。

 

あっ、そういえば先日、間違った道を教えてしまったときも、薬を飲んでボーっとした状態で歩いていたっけ…。


興味のある方は、アメーバブログの「アホ面の告白」をご覧ください。

スーツでハイキング

 連休真っ只中ですね! 皆様、いかがお過ごしですか? 私は仕事と休暇のごった煮状態ですよ、なんて。

 大きい会社の社長さんはいざ知らず、弱小零細企業の便利屋さんは、この連休も仕事の合間に休んだり、休みの間に仕事したりを繰り返すことになりそうです。  


 自営業者のいいところは、何といっても平日の時間が比較的自由になるところだと思うのですが、逆にサラリーマンの特権である休日も自由にならないところが玉に瑕。皆が休みたいときに代わって仕事をしてくれる奇特な人がいる。そのような顧客ニーズが存在するからこそ、ビジネスの便利屋さんが成り立つわけでもあるのですが。  


 それでも昨日は、夜に懇意にさせていただいている医療法人のパーティーに参加する以外は仕事がなかったので、久しぶりにウォーキングに行こうと思いました。パーティーの会場が中央線沿線の緑あふれる郊外だったこともその理由です。  


 さて、ウォーキング。私の場合、歴史散歩と言うべきか、名所旧跡めぐりと言うべきか、とにかくガイドブック手に歩く、歩く…。一日に最低三万歩は歩きます。せっかく高い交通費を払って外に出たんだから、行った先の目ぼしいものは全て見なければ損という根っからの貧乏根性がそうさせるわけであります。若い頃は、ウォーキングガイドブックのコースの三日分を、一日でまわったこともあります。そうなるともう、ウォーキングというよりジョギングですね。  


 でも昨日は、夜にパーティーに出席する予定があるので、あまり疲れて見苦しいところはお目にかけられません。やはり、カジュアルルックにトレッキングシューズで一流ホテルのパーティーへ行くのはまずいですよね。そこでスーツを着、しっかり厳選したネクタイをして出かけました  


 連休の山手線はすごい混みよう。平日の昼間よりかえって混んでるんじゃないでしょうか。それでもJRを乗り継ぎ、なんとか青梅線の小作という駅に到着。玉川兄弟で有名な羽村堰や郷土博物館を見学し、福生駅に抜ける8キロばかりのコースをゆっくり歩きました。とても気持ちよかった。実は花粉症で、ここ2ヶ月ばかり郊外にウォーキングへ行くのは自重していたんですよ。やはりストレス解消にウォーキングは効きます。


 それにしても多摩川の河原では、家族連れやカップルがキャンプして休日を楽しんでいるのにこちらはスーツにネクタイ。市役所の観光課の人と間違われたのかな。道を聞かれるわ、カメラのシャッターを押してくれと頼まれるわ、ホント大変でした。中には、私のことを都議会議員候補者と勘違いして、「熱心だな、気に入った。一票入れてやる!」なんて言う酔っ払いのおやじもいる。都議会議員候補者の方、多摩川の河原なんか結構穴場かもしれませんよ。  


 そして夕方になり、福生駅からパーティ会場のホテル近くの駅までJRで移動しました。電車の車内でのこと。電車が駅に到着するたびに停止位置の前で停まってしまい、そこからまたちょっとづつ前へ進むのです。ホームを行き過ぎるのを恐れるあまり、ものすごい慎重になっているのがわかる。車内は、奥多摩でハイキングを楽しんで突かれきったハイカーばかりでしたが、JR福知山線の脱線事故の映像が頭をよぎるのか誰も不服を言う人はいません。停止位置に向け、尺取虫のように進む電車のなかで、ただ顔を見合わせて苦笑するだけ。  


 そうですよね。あの映像を見てしまっては、少しぐらい到着が遅れるより、無事に確実に運行してほしいと願う気持ちは誰も同じです。車内にいる人たちは誰もその瞬間、脱線事故で亡くなった人たちに合掌していたのではないでしょうか。  


 さて、ようやくホテルに着き、会場内を見回した私の目に飛び込んできたのは、思いのほか多い、カジュアルな格好をした参加者でした。


羽村市近郊にて 2005.4.30

羽村市近郊にて

オタクが営業で成功する話

昨日、一冊の本を読み終わりました。書名は、「火天の城」で、山本兼一著。  

最近読んだ本の中では、面白かった本のうちの一つです。内容を一口で言うと、安土城の築城を請け負う大工の総棟梁が、さまざまな困難に直面しながら城を完成させるまでのストーリー。伏線として、父と子の葛藤や仲間同士の軋轢、仕事にかける職人の意地みたいなものが織り込んである。  


興味深いのは、当時の築城の技術的な面が、職人の視点で細かく書かれていること。こういう切り口で書かれた、戦国の歴史小説は今まで読んだことがありません。書棚にある安土城の図面や航空写真と見比べながら、自分が安土城を作る職人の気分になって一気に読みましたよ。

 

この本、なんでも松本清張賞受賞作で、直木賞候補にもなったとか。そうか、直木賞だめだったんだ…。構成や技術的な面での考証の努力はすごいと思ったのですが、引っかかる部分もある。敵の女間者かなんかが出てきて、途中で成敗されるところ。全編リアリティーに溢れているんだけど、その部分だけ忍者小説みたいになってる。全体の流れのなかでその部分だけ浮いちゃってるというか、とってつけたような印象なんですよ。  


城を作るだけの話じゃ、一般読者に興味を持ってもらえないと思って、ミステリーの要素を付け加えようとしたのかな。ミステリー的な要素を入れるなら、全体のプロットの中に組み込んでいく必要があるんじゃないでしょうか。異質な箇所がひとつあると、全体のイメージがぼやけちゃう。  


でも、それを割り引いても面白かったのにぃぃぃぃぃ~、直木賞だめだったんですからぁぁぁぁぁぁ~、残念!!。

  

作者は実際に大工の親方から、木の見方や削り方を教えてもらったそうですね。専門書をいくら読んでもイメージできなかった築城の様子がよくわかりました。次回は、大阪城を書いて欲しい。姫路城もいいけど、個人的には、肥前名護屋城なんか知りたいですね。あれだけの大工事を起こしながら、今は何の建物も残っていないという点では安土城と同じだし。  


実は私、かつて城オタクだったのです。小学校時代、暇さえあれば日本の城の本ばっかり読んでました。  小学生で、全国の五万石以上の城郭の位置やら、築城者、石高まで記憶していたのだから、結構キモイかもしれない。三つ子の魂百までもと言いますが、今でも日本中の城のことは大抵頭に入ってる。  


でもこのオタク知識が、社会人になってから役に立ったから世の中わかりません。銀行員になって、会社の社長さんたちと話すとき、結構これが話題になりました。  


会社の社長さんって、司馬遼太郎のファンの人が多いですけど、歴史が好きな人も多いんですよ。ある会社では、戦国時代ファンの社長さんと話があって、昼食をはさんで五時間もぶっ通しで、歴史談義に花を咲かせたことがあります。当然、営業にもプラスになりました。  


まず初対面の社長さんの苗字が少し変わっていたら、「変わったご苗字ですね。どちらの御出身ですか?もしかしたら由緒のあるお家柄ではないてしょうか」と聞く。  


そのあと、地方の出身だったら、その土地の歴史、名所旧跡、名産品などの話をする。すると、大抵、「よく知ってるね。行ったことあるの?」と聞かれるから、「いえ。そういうわけではないのですが、知り合いがおりまして、いろいろお話を聞いております」  


とかなんとか、話をつないでいくと、初対面で結構打ち解けた話が出来るのです。  


世の中、営業理論や横文字のマーケティング理論が華やかに横行していますが、そればっかり勉強してたら、ちっとも面白くない人間になっちゃう。遠回りに見えますが、一見仕事とは関係ないこと、ほかの人があまり知らないことを追い求めているオタクになることが、案外近道になるんじゃないかと思えるのです。