会議で、評価を下げる立ち居振る舞いとは | ビジネス便利屋のここだけの話

会議で、評価を下げる立ち居振る舞いとは

 さて、会議ネタもいよいよ終わりに近づいてきました。でも、いつも土俵際、得俵に足がかかったまま、終わるまいと必死に抵抗を繰り返す。


 ここからが、故二子山親方(元大関貴ノ花)直伝の強靭な粘り腰。何を言ってるんじゃ~私は。


 それはともかく、会議で、できる自分をアピールする方法をアトランダムに上げていきたいと思います。少し、テンポを早め、サクサクいきましょう。


 …ということで、会議で好印象を与える自己表現術のその7。 


●相手の質問には、一呼吸おいてから答えると、思慮深く見える。

 これは、自分が発言した内容に対して、反論があった場合に効果的ではないでしょうか。かつて見たアメリカ映画、『評決』の中で、ポール・ニューマン扮する酔いどれ弁護士が、検事に反論されると、じっと黙って検事を見つめ、一呼吸おく。独特の理知的な額にしわを寄せ、「困ったことを言う人だ」というように青い目で見ながら考え込むんですよ。


 当然評決だから、一般人の陪審員が彼の表情をじっと見ている。説得力ある振る舞い。


 これが、検事の反論にすぐ飛び上がって、立て板に水のようにまくし立てていたら軽薄な印象は免れないでしょう。積極的に論戦に持ち込む法廷戦略もあるかもしれませんが、やはり重要事項は、じっくり考えてから反論した方がいい。


 いわゆる、間の取り方。落語でも、会話でも、間の取り方が大事。これがうまくいくと、確かに重厚で思慮深い印象を、人に与えることも可能ですね。


●自分の専門分野について話すときは、専門用語を使わないようにしたほうが好感を与えられる。

 これも結構、大事だと思いますよ。会議の出席者のなかに、議題に関連する専門家が一人でもいれば、当然、彼の意見は重要視それることは間違いありません。所詮、周りの人たちは皆、素人なんですから。尊敬の目で見られるかもしれませんね。


 ところがその専門家が、自分は専門家であるとの自意識が働いて、他の素人の出席者を軽んずるような振る舞いがあると、その立場は一転します。

「少しぐらい知ってるからって、態度がでかすぎる」というのは当然としても、「専門用語ばかり使って、言ってることが全然わからない」と思われたり、「わざと、わからないような言葉を使って、会議の方向を煙に巻こうとしている」なんて思われたりしたら、逆に素人からのしっぺ返しがあるかもしれません。


 ホントは専門家、そんな気持ちなど全然ない場合が結構ある。要は、専門家が常識だと思っていることが、素人には常識ではないというだけのことなのです。


 人間というのは、自分の知っていることぐらい誰でも知ってるはずだと思ってしまう生き物らしい。


 それでも、素人のひがみにあってはたまりません。やはり、会議の場では、出席者の誰でもわかる言葉で話すのが鉄則です。  


●会議で、相手の話を熱心に聞いているふりをするには、メモをとるのもいい。

 以前、ビジネス教育の研修会社の講師として、定期的に講演を行ったことがあります。いざ参加者の前に立ち、講演を行っていると、わかるんですよ。ちゃんと真面目に聞いてくれているのかどうかが。


 前を向き、下を向いてレジュメに目を落としているように見えるんだけど、微動だにしない参加者がいる。完全に固まっちゃってる。


 目を開いたまま寝てるのか?


 どーせ、面白くないっすよ、オイラの話は…。と、腹をたて、当てて恥をかかせてやろうかと思うのですが、それもかわいそう。連日、午前様になるまで、残業があるんだって。研修にくるときぐらいゆったりした気持ちにつかりたい気持ちもわかる。


 ところで、さっきから熱心にメモを取っている若手の参加者。それだけでも前向きだなと感じられます。でもあとで聞いたら、予定していた参加者が急用で来れなくなり、メモだけ取ってきてくれと新入社員に頼んだのだとか。メモをしっかり取らないと怒られるのですと、泣きそうな顔で言っていました。


 しかし最後の質問コーナーで、目を開いて寝ていたと思った参加者から、鋭い質問が来たんですよ。ちゃんと聞いていなければ、できないような質問が…。


 完全に固まった状態で講義を聞くのが、彼のスタイルだったのでしょう。しかし、あれはどう見ても、寝ているとしか思えなかった。私じゃなければ、怒った講師もいたかもしれません。


 講義の聞き方もそうですが、会議へ参加する人たちに、こちらの取り組み姿勢の「見せ方」も大事だと思うんですよ。次回は、その辺りを中心にご紹介したいと思います。