会議で、ゴーマンに見せず相手を説得する法 | ビジネス便利屋のここだけの話

会議で、ゴーマンに見せず相手を説得する法

こんにちは。土日をはさみ、2日ぶりのブログです。


 この2日間で、司馬遼太郎の「この国のかたち」という本を読みました。司馬氏の著作のに関して、以前から質問したいと思っていたことに、氏本人がやさしく答えてくれるような内容の本でした。


 私が、歴史上の「上司」として、もっとも尊敬するのは、「坂の上の雲」に登場する大山巌と東郷平八郎の両元帥です。


 この本を読んだサラリーマンの誰もが、二人の下で働きたいと思うのではないでしょうか。と言うのは、この二人は、部下がもっとも能力発揮しやすい管理手法を取ってくれるからです。


 いや、管理手法というより、もとから二人に備わった人間的魅力なのかもしれませんね。


 能力のある部下に、大きな裁量を与え、重箱のすみをつつくようなことはしない。部下たちは何とかそれに応えようと頑張る。二人の顔に泥を塗るようなことはしたくない、二人を男にしたいと日夜努力を重ねるのです。


 二人の出身地は、鹿児島の同じ町内。西郷隆盛は、子供の頃から彼らの面倒を見ていたそうです。言うまでもなく、西郷の人間的魅力も幼少時から備わったものでした。


 なぜ、こんな小さな町から、同じタイプの人間的魅力を備えた英雄が誕生したのか。


 司馬氏は、鹿児島に古くから伝わる風習が、それを生んだと位置づけています。すごく説得力がありますね。この辺りのことは、いずれブログでご紹介するつもりです。  


 ところで前回は、太閤秀吉の例など出して、多少話が堅苦しくなりました。


 日本史が好きだから、何でも今みたいに昔の有名人に置き換えて考えたくなるんですね。とくに天守閣や石垣などを持った城が大量に作られる安土桃山から江戸時代初期の大名に関しては、オタクなみに詳しい。


 その当時は、戦国時代から3人の英雄によって、平和な時代へ移行しようという大変革期。ちょっとの仕事の失敗や失言でも、すぐ首と胴が離れる時代です。それだけ、人と人との関係を、日夜、突き詰めて考えざるをえなくなる。


 私だって、あと20年早く生まれていたら、確実に戦争へ行かされてました。


 大学時代のアルバイト先の社長が、戦時中、マレーシア戦線で生き残った人で、顔を合わすたびに、「君らの年代で戦争へ行ったら、みんな鉄砲の弾除けだよ」って言ってましたから。確かに、そうだったのでしょう。


 吉野家の牛丼弁当を食べながら、アルバイト学生が車座になって、その社長の戦争の話に聞き入りました。ちなみに、アルバイトって、ビルの清掃です。社長といっても、作業服を着た現場監督みたいなもの。そういえばここ数年、戦争へ行ったという昔話をする人がまわりに一人もいなくなってしまった。


 今はどんなに仕事で失敗しても、普通の会社なら命までは取られません。思えば、そういう幸せな時代に生まれたことだけでも、喜んでいいのかもと考えるのです。


 それはともかく、会議の話の続きです。 今日は、会議で話すとき、ちょっと気をつけるだけで相手に好印象を与え、なおかつ密かに上司にアピールする秘訣をご紹介しましょう。


 題して、会議で好印象を与える自己表現術のその5。


●自分の話に説得力を持たせるためには、ことわざや格言を引用して言いたいことを補強すると効果があり、かつ傲慢に見えない。

 人生経験の少ない若者なのに、自分で考えた教訓じみた言葉を、教え諭すような感じで話すと、彼の年上の人たちは皆、カチンと来ますよね。


 しかし、人生経験の少ない若者の言葉だからカチンと来る訳ではないのです。年上に対して説教しようとする態度にカチンと来る。日頃の行いが悪いのか、私もたまに、酒癖の悪い後輩につかまって説教されることがあります。完全に目が据わっていて怖いので、仕方なく、大人しく聞く羽目になる。


 確かに、頭にきますね。


 そんなこと、お前に言われる筋合いはない!!!と、叫び、目を覚ませぇぇぇぇぇ~と、彼の頭に水をかけたくなる。


 でも、よく聞くと、彼の言うことにも一理ある。わかるけど、酔っ払いに説教されて、次の日から、「はい、そうですか」と変えられるわけもない。絶対、変えてやるもんかと思う。


 それはやはり、人の振り見て我が振り直さない人間の言うことなど聞けるかという気持ちもあるでしょうが、彼が後輩ということが一番の理由でしょう。


 しかし、できる人間は、年上の相手を説得したいとき、自分の言葉ではなく、ことわざや名言、格言を利用して、主張したいことをうまくオブラートに包んで言うんですな。


 誰でも、青二才の言うことは耳を傾けなくても、常識として知れ渡っていることわざや名言・格言に反することはしたくない。会議の席でこれらを引用して、自分の言いたいことを補強すれば、発言者の個人的な意見が、歴史上の偉人や名経営者が彼の意見に賛同しているような気分にさせることも可能です。


 そういえば、交渉上手で知られる外国の元首や外交官は、ことわざや世界各国の名言や格言を絡め、実にうまく交渉するそうです。