しゃべる人、しゃべらない人の損得 | ビジネス便利屋のここだけの話

しゃべる人、しゃべらない人の損得

いつもはお昼休みの時間にブログを書いていますが、今日は諸般の事情により、夜、書くことになりました。明日はまた、昼休みにアップロードさせていただく予定です。


 さて、先々週の金曜日から足掛け二週間にわたって書き続けた苦情・クレーム処理シリーズ。


 ずっと引っ張ってきましたが、そろそろ一区切りということで、最後に「苦情処理に効く名言」シリーズで締めるつもりです。昔から名言集が好きで、いろいろ読みましたので。


 ところで、名言というのは、古くは紀元前から残っているのもありますね。


 有名なところではソクラテスの「汝自身を知れ」、シーザーの「ブルータス、お前もか」etc…。


 ローマの作家、パブリウスの「最高に到達せんと欲せば、最低から始めよ」なんかは、実に奥の深い言葉だと思います。

 驚くことに、これらは二千年以上前の言葉です。科学技術はめまぐるしく進歩していますが、人間本来の精神性は昔とさほど変わっていないのではないかと思わせます。今見ても、全然古くないですよね。


 腹心の部下に裏切られ、会社を乗っ取られた創業社長は、「○○専務、お前もか」と嘆きそうです。今、この瞬間も、そう言って嘆いている人は大勢いるかもしれません。


 先日、苦情処理法について、「ピンチに陥ったら、下手に口をきくより、「沈黙は金」と考えた方がいい場合もある」と書きました。調べてみたら、「沈黙」についてさまざまな名言があるんですよ。


 たとえば、亀井勝一郎の沈黙の理解があるように、沈黙の怒りや反抗もある。黙っている人を畏れなければならない」

 確かに、人は本当に怒ると黙ってしまうかもしれない。怒りでスーッと血の気がうせて青くなり、じっとこちらを瞬きしないで見つめる人。ホラー映画に出てきそうで、怖い、怖い。

 また、イギリスの評論家・ハズリットは、以下のように言っています。

●「沈黙は会話の偉大な話術である。自分の舌を閉じる時を知る者は馬鹿でない」

 彼が活躍したのは、18世紀。そんな昔に、苦情処理法について含蓄ある意見を述べている人もいるんですね。確かに、失敗したとき、ペラペラ言い訳の言葉をまくし立てるのはかっこいいもんではありません。まさに、「沈黙は金」ということ。

●「心にもない言葉よりも、沈黙の方がどれほど社交性を損なわないかもしれない」

 これを言ったのは、フランスの思想家・モンテーニュ。


●「口に才ある者は多くのことに拙なり」

 これは江戸時代の儒学者・伊藤東涯。口がうまいばっかりで全然役に立たないということを言いたいのでしょう。「口は災いの元」ともいいますから。


 これだけ、「沈黙は金」的な名言を並べてしまうと、明日から口を開くのが嫌になりますね。確かに、世の中、しゃべりすぎる男は軽薄と取られ、嫌われる傾向にあります。


 女性が抱かれたくない男のランキングを見ると、出川哲郎、松村邦洋といった口から先に生まれてきたような男たちが常に上位を独占しています。


 それに対して、高倉健や渡哲也は、沈黙派の代表でしょうか。彼らが嫌いという日本人もまた非常に少ないことは確か。そういえば渡哲也さん。少し前、石原プロのロケ現場で、所属俳優が人身事故を起こしたんですよね。そのとき、被害者に土下座して謝ったというのは有名な話です。


 渡哲也さんみたいな大物俳優に土下座して謝られれば、誰も何も言えないですよね。そしてすぐ、ドラマの制作を中止しました。この処置もまた見事というほかありません。しかもいい訳ひとつ言わずに、今後の対応策を決定しました。まさに沈黙派の面目躍如たるものがあります。


 寅さんで有名な渥美清さんも、プライベートでは寡黙な人だったというし…。


 今盛んにマスコミをにぎわしている元横綱の兄弟。しゃべる弟に沈黙する兄。しゃべる弟は少しかっこ悪い。沈黙する兄に分があるように見えるのは、私だけでしょうか。


 でもなぁ。ビジネスマンは口を開いてしゃべらないと仕事にならないんですよ。とくに営業マンは、沈黙していたら商売上がったりだし…。


 どうすりゃいいんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~