鍼灸はなぜ体に効くのか | ビジネス便利屋のここだけの話

鍼灸はなぜ体に効くのか

昨日の土曜日、近所にある昭和大学の公開講座に出席しました。私の住んでいる区の教育委員会と大学が提携して、毎年、春と秋にそれぞれ2回ずつ、開催するのです。


 先月、「近視と網膜はく離」についてブログに書きましたが、今日はその二回目。病気がテーマの公開講座だけあって、毎回、六十歳以上の人たちがほとんどでした。講師の大学の先生が、うちの学生がこれくらい熱心に講義を聞いてくれればとため息をつくほど、皆さん熱心に話を聞いています。


 昨日は実際に、鍼灸治療の実演も行われて、すごく面白かった。質問のコーナーでは、時間が足りなくなるほど大勢の人が、マイクで質問します。そのすべてが、講座をしっかり聞き、内容を理解していなければできないような質問。やはり日本の高度成長を支え続けてきた年代はやはりすごい。


 私は以前、3年間ほど整形外科医院の事務長をしたことがあります。人手が足りなかったので、事務の仕事以外にも、レントゲンの助手やリハビリの器械のセッティングなどなんでもやりました。門前の小僧、なんとやらで、わりと医学に詳しくなり、暇なときには専門的な医学書なんかも読んでます。一応、医療コンサルティング会社の雇われ社長も兼任していますので。


 そのへんのところで、面白い話もいくつかありますが、いづれブログでご紹介することもあるかもしれません。


 さて、今日は、昨日の公開講座のテーマのひとつ、鍼灸治療について。


 私は鍼灸治療の経験はありませんが、機会があったら一度治療を受けて見たいと思っています。それにしても、前から不思議に思っていたのは、なんで鍼を刺したり、灸をすえて温めるだけで痛みをやわらげるのかということでした。


 つまり、刺激するのは体の表面だけなんですよ。それなのに、筋肉や神経、ましてや内臓まで効くという。不思議だと思いませんか?


 別に不思議ではない。鍼が神経を刺激するからだ? 確かにそうなのですが、次の説明を聞いてう~んと納得しました。


 皮膚と神経は、人間が作られるとき同じところから出発した。今でも密接な関係にある。だから、皮膚を刺激することによって、神経に働きかけることができる。

 人間の体というのは、もともとは受精卵というひとつの細胞でした。その細胞の複製がどんどんコピーされ、約60兆集まって人間の体ができている。しかも、受精卵は細胞分裂して三層構造になるらしい。一番内側が、循環器や血液、骨、筋肉に。その外側が内臓に。そして一番外側が、皮膚や感覚器、神経になるんだそうな。


 皮膚と感覚器、神経は同じところから出発しているんですな。講師の先生は、選挙のとき、候補者が握手戦法をとるのは、有権者の皮膚を刺激し、神経に直接訴えかける効果的な方法だと話していました。確かに、心理学の本にも、同じようなことが書いてあります。


 話を元に戻しますが、その60兆の同じ細胞の集合体が人体なんですって。ここから、からだはどこも同じだという東洋医学の思想が生まれている。東洋医学の診察って、体全体を診ますもんね。そしてトータルバランスを考えて治療する。


 それに対して、西洋医学は、体は部位によって違うという考え方だそうです。そういえば病院は、脳や内臓ごとに診療科が分かれていますね。


 さて、鍼灸は体にどんな効果をもたらすのか? ノートにメモしてきましたよ。


●炎症反応を抑制する。

 たとえば、慢性関節リウマチ。これは、関節の炎症と痛みが次第に全身に全身に広がる一方、進行すると 変形して身体障害がでる病気です。


 鍼灸は、痛みを抑えるとともに、骨の破壊を抑制する効果も実験で立証されたそうです。


 鍼灸って、筋肉痛を緩和するぐらいにしか思ってなかったのですが、関節炎の発症と進行を抑制する効果があるとはちょっと驚きでした。ただ、その作用メカニズムは不明とのこと。もちろん、そのほかの炎症系の疾患にも効果があるようです。


●痛みの信号が脳に上がるのを抑制する。

 痛みというのは脳が感じるもので、その情報が脳へ伝わる道を遮断してやれば、痛みは感じないのだとか。有名な鍼麻酔というのがこれですな。



 以上までは、なんとなく鍼灸に対するイメージの延長線上にあったのですが、もうひとつ興味深い効果の説明がありました。


 昨日の講座では、はっきり言及していませんでしたが、個人的な考えでは、どうやら老化防止にも効果がありそう。NHKの「ためしてガッテン」でやっていた老化防止効果と同じ効果が鍼灸にはあるみたいなんですよ。


 その点について、また明日書きます。