苦情・クレーム処理でファンを作る法 | ビジネス便利屋のここだけの話

苦情・クレーム処理でファンを作る法

 こんにちは。昨日とは違って今日は雨。でも、昨日みたいに一日外回りの日じゃなくてよかった。


 今日、外を仕事でまわっているビジネスマンの方、会社訪問の学生さん、ご苦労様です。


 ところで、昨日の午後、東京中央区新川の路上を歩いていたんですよ。テレビでご存知の方も多いかもしれませんが、「ビル外壁タイルの崩落事故」の現場を目撃しました。その通りは、仕事で必ず月一回は訪れる場所です。ちょうど昨日がその日。


あと、二時間早く訪れたら、巻き添えになっていたかも…。下が、携帯で撮った現場の写真です。


 何でも、雑居ビル(8階建て)の外壁のコンクリートタイル(計約900キロ)が崩れて約10メートル下の路上に落下したのだとか。


 下を歩いていた女性(40)と乗用車に破片が直撃。女性は頭に重傷を負い、車を運転していた男性(53)も急ブレーキをかけたはずみでひざにけがをしたらしいです。


 コンクリートタイルと壁面の接着が不十分だった疑いがあり、警視庁が業務上過失傷害容疑でビル管理会社から事情を聴いている。 (asahi.comより抜粋)


 二時間以上たっても、現場は野次馬で黒山の人だかりでした。(自分も野次馬の一人ですが…)


 それにしても怖いなあ。道を歩いていて上から1トン近いコンクリートが降ってきたら防ぎようがありませんよ。死者がでなかったのが不幸中の幸い。現場を見てしまうと、これから始終上を見ながら歩きたくなってくる。


「上を向いて歩こう」などと、くだらないことを言っている場合じゃありません。(←お前以外誰も言ってないだろ?)


 ビルは築15年ということですが、見た目にはそんなに経っていると思えないほどきれい。とても外壁が崩れそうな建物には見えません。しかもビルの所有者は02年、建築基準法に基づいて3年に1回の定期報告をした際、外壁については「異常なし」と報告していたのだとか。


 詳しいことはまだ調査中らしいですが、どこへ苦情・クレームが行くんでしょうね。でも、責任者は、こういう事故での苦情・クレームでファンを作ってほしくない。人命がかかっている場合は、完璧に、苦情を発生させない姿勢で仕事に臨んでもらいたいものです。



 さて、今日も商品やサービスへの苦情処理法をご紹介しましょう。題して、プラスアルファの苦情処理法、その3です。


●商品やサービスへのクレームは、商品研究、新商品開発への貴重な参考意見として評価すると、お客さんの自尊心を満足させ、うまく解決する場合が多い。

 具体的には、お客さんからクレームがあった場合、商品の入手経路やどこでそのサービスを受けたのか、担当者は? という点を詳しく聞くことです。なるべく上位の階級にある人がお客さんから直接聞き、「申し訳ございませんでした」と深くお詫びする。


 そして、商品開発担当者やサービスの現場部門の責任者とともに、今後の商品開発、サービス開発の参考意見にさせていただきたいと、メモをとりながら熱心にお客さんのクレームについて耳を傾けるのです。


 すると不思議なことに、クレームを持ち込んだお客さんが、彼らとともに新たな商品開発を行っているんだという一体感が生まれてくるんですね


 お客さんとしても、これだけ自分のクレームに耳を傾けてくれた、そして自分の意見が今後の商品開発に生かされるんだという自尊心が満足されるのです。それだけで、クレームを持ち込んだお客さんは、その会社のファンになってしまうというケース。

 しかし、以上はこちらの商品やサービスに問題があったというケースです。しかし実際のケースはそればかりではない。お客さんの明らかな誤解によってクレームをつけるケースもあります。


 自分の誤りに気がつかないで、会社のそれらに腹を立てている。この場合、お客さんが言いがかりをつけていると自分でわかっているケースは別です。あくまで、自分が正しいと信じてクレームを言っている場合。


 この場合、「おっしゃるとおりです」なんて言ったら、こちらが間違っていたと認めてしまうことになります。ここは当然、反論しなければならない。しかしまともに反論したら、また火に油をそそぐことになりかねません。


 お客さんの怒りをかわしながら反論するにはどうすればいいか。次のようにすればいかがでしょう。プラスアルファの苦情処理法、その4。


●反論したかったら、いったん相手の意見を受け入れてからにすれば、反抗的に見えない。

 たとえば、いきなり反論するのではなく、お客さんのクレームを誠心誠意お聞きして、その不信感にいたった経緯を納得した上で、「おっしゃることはごもっともです。当社の製品でご不快なお気持を持たれたことについては深くお詫びいたします。ですが…」


 と、いう形で続ければ反抗的には見えないのではないでしょうか。そして、「ですが…」のあとの反論にも、ちょっとした神経を使うと、お客さんはすんなり反論を受け入れてくれます。それが、プラスアルファの苦情処理法、その5。


●反論するときは、質問の形を取ると、生意気な感じを与えない。


 具体例を書こうと思いましたが、ちょっと今日はまた長くなってしまいました。この続きはまた次回。


中央区新川のビル外壁、崩落現場。


新川、タイル崩落現場