商品を売るためにもっとも大切なこと2
皆様、月末はいかがでしたか?
さて、今日から6月。テレビを見ていたら、ノーネクタイでワイシャツの第一ボタンをはずしてもかっこよく見える「クールビズ」が、これから夏場のトレンドになりそうだとか。
これって、夏場、外回りの営業マンには大歓迎でしょうが、果たして根付くのかな。かつて、半袖スーツという省エネルックを流行させようとして、かえって逆行させてしまった苦い経験が、我々の一個上の世代はあるはず。当時の羽田首相の省エネルック、かっこ悪かったもんな~。
自社内だけで仕事する社員は、まわりを不愉快にさせなければもともと何を着たっていい。訪問する人だって、「郷に入りては郷に従え」のことわざ通り、カジュアルな会社なんだと思って自然に受け入れられる。
問題は、社員全員、ガチガチのスーツできめている会社に、「クールビズ」で営業マンが訪問できるか、っていうことですな。昔銀行に勤めていたとき、窓口には、ジーパンにサンダル履きでお金を預けにきていた喫茶店のマスターが、お店の改装資金を借りに融資窓口へ来られたことがあったんですよ。そのときはバリバリの背広姿。さすがにジーパンにサンダル履きで、融資の依頼はしにくかったみたいです。そこで、十年ぶりにスーツを着たのだとか。やせてた頃作ったスーツみたいで、すごく苦しそうでした。でも、スーツ姿ばかりの人たちのところへ、カジュアルな格好で頼みごとをしに行くのは、すごく抵抗がある。
営業で他の会社を訪問するときも同じ。
何度も書いてますが、営業は第一印象が大切です。新規訪問の場合、お客さんは、たった十秒間のうちにこの営業マンの話を聞こうか、やめようか、おおよその判断をしてしまう。
その判断基準は、営業マンの顔つき、服装、言葉遣い、雰囲気といった第一印象に大きく左右されるんでしたね。営業訪問の勝負は一瞬にして決まる、と言っていいでしょう。そしてその営業マンが発する商品説明も同じです。
前回のブログで、自分の売っている商品を十秒間でお客さんに説明できるか、が重要と書きました。
それを言ったのは、営業活動を理論的に洞察した研究で有名なエルマー・ホイラーという人です。それに関連して、彼は、以下のようなことも言っています。
●商品についてのすぐれたアイデアを、十秒で話せるようにせよ。できるだけ言葉を少なくする工夫をすることが、もっともよいアプローチを生む。
商品についてのすぐれたアイデアって、何でしょう。このフレーズが書かれていたのは、ダイヤモンド社の「営業幹部の『名言』スピーチ」(ビジネス『名言』勉強会編)という本でした。
ところで、この本も、私の仕事に役立ちましたね。元トップ営業マンや作家、評論家、経営学者、歴史家、武将などさまざまな人たちの名言が、仕事にからめてつづられています。ただ、具体的な方法はとくに示されていません。販売力を強化する、訪問活動の達人を育てる、顧客対応が自由自在になる、顧客の満足を勝ち取る、などの観点から、名言を発した人たちのオリジナルな成功法則のヒントだけが、名言とそのエピソードを交えて語られているだけ。だからこれを自分の仕事の中で活かそうと思ったら、オリジナルな方法を模索しなければならない。
でも、これって当然ですよね。世の中には、功なり名を遂げた成功者の書いた「成功法則」がごまんとあります。しかし、それを真似するだけで誰でも成功するかと言えば絶対そんなことはない。手軽にできて、すぐ成功できる「非常識な」方法なんてのもありますが、それを真似して、傲慢に振る舞い、転落していった若い人を何人も見ましたよ。
一流大学で経営学を勉強した人が、大学へ行っても経営のノウハウを取得できないと言うのと同じ。確かに大学へ行っても、経営の実践論は理解できません。しかし、若い時期、金儲けと関係ない学問をいろいろ勉強し、ビジネスの利害関係のない友人を作り、クラブ活動で好きなことをとことんやる時間が持てる、というのはやっぱりどっかで生きていると思います。
要領よく金儲けをして、日夜、お金のことばっかり考えて生きている社長さんもいますけど、ほかにも魅力的なことは世の中にたくさんあるはず。そういう生き方を否定する気はもちろんないですが、それを知らないで人生を終わるのも、なんだか侘しい。って、思いませんか?
以上、「負け犬の遠吠え」でした。ジャン、ジャン。
…と、話がそれてしまった。
よーするに、商品についてのすぐれたアイデアを、十秒で話せるようにすることが大事なんですよ。
そのすぐれたアイデアって、受け取るお客さんによって、一人ひとり全部違うのですが…。
ちょっと今日はまた話が横道にそれてしまいました。昼休みも終わり。この続きはまた次回書きます。